UFC=DWCS キルギスの無敗 アブドゥラエフ選手 わずか19秒で衝撃KO!ONEで5戦全勝からUFCへ ダナ・ホワイト「DWCS史上最高の才能かもしれない」
キルギスから、また一人、世界最高峰の舞台へ駆け上がるファイターが現れた。
2026年9月15日(日本時間16日)、米ネバダ州ラスベガスのUFC APEXで開催された「Dana White’s Contender Series(DWCS)シーズン10・第6週」に、キルギスのアクバル・アブドゥラエフが登場。ライト級でエジニウソン・サントスと対戦し、1ラウンド19秒、右オーバーハンド一撃でKO勝利を飾った。
これでアブドゥラエフはプロ戦績を14戦14勝とし、しかも14勝すべてがフィニッシュ。KO・TKOが13、一本勝ちが1という圧倒的な数字を残した。
そして試合後、UFCのダナ・ホワイト代表から正式にUFC契約を提示された。
海外メディアもこの一撃に注目。Sherdogは「19秒KOでUFC契約を獲得」と報じ、MMA Weeklyは今回のフィニッシュをDWCSの中でも特に印象的なKOとして紹介。MMA Maniaも、アブドゥラエフがONE Championship時代から無敗を続けてきたことを伝えている。
試合は、まさに一瞬だった。
開始直後、両者ともオーソドックス構え。アブドゥラエフは距離を測るように左を使い、ボディーへのジャブも交えて相手の反応を探った。
そして19秒。
左を振ったサントスに対し、アブドゥラエフが右のオーバーハンドを合わせる。
右拳が顔面を捉えた瞬間、サントスは前のめりにキャンバスへ倒れ込んだ。
レフェリーが即座に試合を止め、アブドゥラエフは追撃することなく勝利を確認。右手を掲げ、リング上から四方へ礼を送った。
海外メディアの報道でも、この「一撃で試合が終わった」点が大きく取り上げられている。MMA Maniaは、アブドゥラエフがボディーへの攻撃を見せた後に決定的な右を打ち込んだと分析。MMA Weeklyも、サントスが顔面からキャンバスに倒れ込むほどの決着だったと伝えた。
▪️ダナ・ホワイト代表も絶句「野球のバットで打ったような音」
そして、この試合で大きな話題になったのがダナ・ホワイト代表の評価だ。
試合後、ホワイト代表はアブドゥラエフに対して、パンチの衝撃音を「野球のバットで打ったような音」と表現。
さらに、DWCSの10年に及ぶ歴史を振り返りながら、アブドゥラエフを「この番組に登場した中で最高の才能かもしれない」と評価し、将来的なスター候補として期待を寄せた。
Sherdog、MMA Fighting、MMA Weeklyなど複数の海外メディアも、このホワイト代表の発言を報じている。単に契約を獲得したというだけではなく、UFCトップが試合直後から異例ともいえる高い評価を示したことが、今回のニュースをさらに大きくしている。
▪️実は「DWCSから出てきた無名選手」ではない
今回のアブドゥラエフを語るうえで重要なのが、UFCデビュー前のキャリアだ。
アブドゥラエフはDWCS以前からONE Championshipで戦っていた。
ONE公式プロフィールによると、ONEでの戦績は5勝0敗。しかも5勝すべてがKOまたはTKOで、ONEにおけるフィニッシュ率は100%となっている。
つまり今回の19秒KOは、突然生まれた一発ではない。
ONEで世界レベルの選手たちと戦いながら5連勝を記録し、そのすべてをフィニッシュで終わらせた実績を引っ提げて、UFCへの入口となるDWCSに乗り込んだ。
海外のAgentMMAも2026年のキルギスMMAを紹介する記事の中で、アブドゥラエフを同国の新世代を代表するファイターの一人として取り上げ、ONEで5戦全勝、すべてKO・TKOによる勝利を挙げていると紹介している。
今回の試合前、アブドゥラエフは13戦13勝。
その内訳は12KO・TKOと1一本。
そしてDWCSでサントスを19秒でKOしたことで、14勝0敗、13KO・TKO、1一本という数字になった。
判定勝利は一度もない。
Sherdogの記録でも、DWCS出場前までのアブドゥラエフは13勝0敗、12KO・TKO、1一本とされており、今回の勝利によって14戦無敗へ到達した。
この数字が示しているのは、単純な勝率ではない。
「勝つ」だけではなく、「相手を試合終了まで持っていく」という能力を、プロキャリアのほぼすべてで証明してきたファイターだということだ。
▪️ONE時代には5戦すべてをフィニッシュ
ONE Championshipではアブドゥラエフは同団体で5勝。
KOが1、TKOが4で、5試合すべてがフィニッシュだ。
ONEでの平均試合時間は6分5秒。
海外メディアでは、ONE時代の実績を含めてアブドゥラエフを「UFC外の有力プロスペクト」として扱う報道も出ていた。
MMA Maniaは、ONEで5連勝を挙げたことに加え、元ONE王者タン・カイとの試合などを含めたキャリアを紹介。UFC入り前から高い評価を受けていたことを伝えている。
そのため、今回のDWCSは「新人のオーディション」というより、すでに国際舞台を経験していた無敗ファイターが、UFCというさらに大きな舞台へ進むための最後のテストという側面も持っていた。
▪️キルギスMMAの存在感が一気に拡大
アブドゥラエフのUFC契約を語るうえで、もう一つ見逃せないのがキルギスという国だ。
近年、中央アジアから世界トップクラスのMMAファイターが相次いで登場している。
その象徴的な存在の一人が、アブドゥラエフと同じキルギス出身のラジャブアリ・シェイドゥラエフ。
シェイドゥラエフは2026年9月10日に、RIZINのフェザー級王座に加えてPFLのフェザー級タイトルも手にし、20戦20勝という無敗記録を維持している。
同じ国から異なるルートで世界最大級のMMA団体へ進む選手が現れていることは、
キルギスMMAの層の厚さを示す一つの材料になっている。
試合後のインタビューでアブドゥラエフは、UFCと契約することそのものが長年の目標だったと語った。
世界最高峰の舞台で母国キルギスを代表して戦うこと。
それを目標にしてきたという。
そして今回、その夢を19秒という圧倒的な内容で実現した。
DWCSは、単に勝てばUFCと契約できる大会ではない。
UFC側が将来性を見極めるための登竜門であり、勝利だけでなく、どのような勝ち方をしたのか、どのような能力を見せたのかが重要になる。
UFC公式もDWCSを、次世代のUFCスターを発掘するための舞台として位置づけている。2026年はシーズン10を迎え、アブドゥラエフの契約はその最新例の一つとなった。
▪️UFCライト級で「次」の強豪とのオファーを待つ
そして本人は、すでに次の試合を見据えている。
19秒で試合を終えたため、ダメージも極めて少ない。
試合後には、10月でも11月でも戦えるという趣旨の発言をしており、UFCでの初戦を待ち望んでいることを明かした。
もっとも、UFCライト級は世界でも屈指の選手層を誇る階級だ。
DWCSで衝撃的なKOを記録したからといって、いきなりタイトル戦線へ進むわけではない。
これからは、UFCのスピード、距離、レスリング、グラップリング、そして長いラウンドを戦う能力など、これまでとは異なる環境への適応が求められる。
一方で、14戦14勝、全試合フィニッシュという数字は、UFCデビューを待つ新加入選手の中でも強烈なインパクトを持つ。
世界最高峰を舞台にした新たなキャリアのスタートを告げる一撃KOだった。



