【ONE】吉成士門選手 体重超過の相手を左ボディでKO「さらに闘志が燃え上がった」規定クリアで挑んだ横浜決戦
2026年9月12日、神奈川・横浜BUNTAIで開催された『ONE SAMURAI 3』で、吉成士門選手(エイワスポーツジム)が強烈なKO勝利を飾った。
第7試合に出場した士門選手は、スーブラック・トー・プラン49(タイ)と対戦。
2R1分28秒、狙い続けた左ボディを突き刺し、試合を終わらせた。その背景には、試合前から生まれていた特別な感情があった。そのことを大会後のONEオフィシャルサイト内インタビューで試合を振り返って語っている。
▪️体重差を抱えたまま成立した一戦
スーブラックは前日計量をクリアできず、最終的に139.2ポンド(約63.14キロ)で計量。
一方、士門選手は約60.9キロで条件をクリアした。
補償金を支払うことで試合は成立したものの、士門選手が強く印象に残ったのは数字だけではなかったという。
相手の様子を見た士門選手は、そこで気持ちを切り替えた。
「彼は体重オーバーだったのに、それでも平然としていて、笑顔を浮かべていたんです。それを見て、『絶対に彼に勝つぞ』と心に誓い、さらに闘志が燃え上がりました」
減量を含めて試合に向けた準備を重ね、規定をクリアしてリングに上がった士門選手にとって、相手との体重差は無視できない要素だった。
だからこそ、その感情をリング上で爆発させて結果に変えることに集中した。
▪️答えは左ボディ2Rで決着
試合で士門選手が選択したのは、明確なボディ攻撃だった。
「最初から作戦は、ボディ攻めに力を注ぐことでした。それが功を奏し、勝利を手にすることができました」
狙いを定めた攻撃が実を結んだのは2R。士門選手が左ボディを打ち抜くと、スーブラックは立ち上がることができず、2R1分28秒でKO決着となった。
計量を巡る出来事で生まれた感情を、言葉ではなくファイトで示した形だ。
▪️エイワスポーツジム勢が横浜で存在感
『ONE SAMURAI 3』では、エイワスポーツジムから複数の選手が出場した。
安部焰選手は大会3日前に急きょ決まった一戦をキャッチウェイトで戦い勝利。
奥脇竜哉選手もボディへの攻撃からKO勝利を挙げた。
そしてメインイベントでは、士門選手の従兄弟でもある吉成名高選手がコンビネーションを駆使して判定勝利を収めた。
4選手がそれぞれ異なる条件で試合に臨むなか、規定体重とハイドレーションをクリアした選手たちは、試合当日に向けて身体を仕上げていた。
華やかなKOや勝敗とは別に、計量やハイドレーションへの対応もプロ選手にとって欠かせない準備の一つ。エイワスポーツジム勢は、横浜BUNTAIという大舞台で、それぞれの試合をルールを守り勝利へ繋げた。
▪️本戦契約後の初勝利 視線はタイトルへ
ONE本戦契約を獲得してから初勝利となった士門選手は、すでに次の目標を明確にしている。
「ここからは、フライ級のベルト獲得だけに集中します。勝利が何よりも重要です。その上で、タイトル挑戦権を明確にアピールできるような対戦相手との試合を望んでいます」
ONEフライ級ムエタイには、アサドゥーラ・イマンガザリエフをはじめ、ロッタン・ジットムアンノンら世界トップクラスの選手が集う。
今回のKOで一歩を進めた士門選手にとって、今後は強豪との対戦を重ねながら、タイトル戦線への存在感を高めていくことがテーマになる。
体重超過という試合前の出来事は、士門選手にとって決して小さな問題ではなかった。
それでも、リング上で見せたのは相手への言葉による批判ではなく、自ら準備してきた戦いを貫く姿。
狙い通りのボディ攻撃から2R1分28秒でKO。
横浜BUNTAIで手にした勝利は、士門選手がONE本戦の舞台で次のステップへ進むための一勝となった。
そして本人は、すでに視線をベルトへ向けている。
【文:高須基一朗 瞬刊モッツ 編集部】


