武居由樹選手 11・26再起2戦目へ「丁寧にぶん殴る」 王座返り咲きへ再始動
前WBO世界バンタム級王者の武居由樹選手(30=大橋)が、
再び世界の舞台を目指して動き始めた。
武居選手は11月26日、東京・EBARA WAVEアリーナおおた(大田区総合体育館)で、日本スーパーバンタム級10位の大嶋剣心選手(31=KOB LAB)と8回戦を行う。
29日に対戦カードが発表され、武居選手も会見に出席した。
今回のテーマとして掲げたのは、印象的なひと言だった。
「丁寧にぶん殴る」
昨年9月の世界戦で王座を失って以来、再起の道を歩む武居選手にとって、今回は再起2戦目となる。
▪️「最初からエンジン全開でいきたい」
武居選手は会見で、
「今回のテーマは丁寧にぶん殴る、です。最初からエンジン全開でいきたいと思います。久しぶりにバチッと決めてやります」
と意気込みを示した。
武居選手は2024年9月、クリスチャン・メディナ選手(メキシコ)に4回TKOで敗れ、
WBO世界バンタム級王座から陥落した。
今年5月には東京ドームでワン・デカン選手(中国)と再起戦を行ったが、試合当日のウォーミングアップ中に古傷の太ももの肉離れが再発。
万全とはいえないコンディションのなか、2-0の判定勝利を収めた。
その一戦を振り返り、武居選手は自らの現在について率直に語った。
「言い訳になりますが、コンディションは良くなかった。他の選手に比べて自分の評価を下げていると思うので、また一から」
一方で、武居選手には「下から積み上げていく」経験がある。
「下から上げるのぼり方は分かっているので、また積み上げてトップ戦線に乗り込んでいきたいと思う」
王座を失った経験を経て、再び一歩ずつ上を目指す構えだ。
▪️石井武志選手の世界王座獲得も刺激に
大橋ジムの弟分、石井武志選手(26)が9月2日にWBA世界ミニマム級王座を獲得したことも、武居選手にとって大きな刺激になっている。
「武志が世界王者になり、彼の努力は見てきた。自分も負けないぐらい努力をしたい。武志の背中を追いかけて頑張っていきたい」
身近な存在が世界王者となったことで、武居選手自身も改めて頂点を意識する。
▪️「1つ上の段階に入った」新たなトレーニング
武居選手は今年7月から、パンチを繰り出すタイミングに幅を持たせるため、
新たにリズムトレーニングを取り入れている。
ボクシングでは、相手のリズムを読むことが攻撃のタイミングを作る重要な要素になる。
武居選手自身も、
「ボクシングはジャブを当てるのに相手のリズムを読むことが大事。ボクシングにつながると感じた」
と手応えを語る。
スパーリングの中でも一つ一つの動きを意識し、考えながら練習する。さらに、それを言語化して確認する作業も続けているという。
「1つ上の段階に入ったのではないかと思う」
練習量も自然と増えているという武居選手。再起戦で得た勝利を、次のステップへつなげようとしている。
▪️井上拓真選手-那須川天心選手戦も視察
武居選手は9月27日に行われたWBC世界バンタム級タイトル戦、井上拓真選手(大橋)-那須川天心選手(帝拳)戦も視察した。
両者の攻防から受けた刺激は大きかったようだ。
「さすがの拓真さんだなと。あの拓真さんとあそこまでやりあえて、しかもダウンまで取った天心選手のすごさもすごく感じた。自分自身の刺激にもなった」
世界のトップで戦う選手たちの姿を目にし、自身の目標もより明確になっている。
バンタム級、そしてスーパーバンタム級。2階級での王座返り咲きを見据えながら、まずは11月26日の8回戦に集中する。
さらにその先には、那須川選手との将来的な対戦という構想もある。
「一から下から積み上げて、(返り咲きまで)のぼった時に、もう1度言えたらいい」
焦らず、しかし確実に。
一度は世界王座をつかんだ武居選手が、今度は挑戦者として再び頂点へ向かう。
11月26日の大嶋選手戦は、その再出発を印象づける一戦となる。

