佐々木朗希投手へ再びドジャース救援のオファーについて 9回だけではない「昨季の成功モデル」が浮上

2026.9.17
【©️Los Angeles Dodgers 】

ロサンゼルス・ドジャースの佐々木朗希投手が、

ポストシーズンで再び、中継ぎに抑えを担う可能性が高まっている。

右手中指のまめで8月27日に負傷者リスト入りしていた佐々木投手は、

現地9月16日、敵地グレート・アメリカン・ボールパークで4イニングを想定したシミュレーテッドゲームに登板。ドジャース打者を相手に48球を投げ、故障箇所を確認した。

ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は登板後、状況について「重要になる」としながらも、先発と救援のどちらで起用するかはまだ決めていないと説明した。


 

既に米国ではポストシーズンで佐々木投手をブルペンに置く可能性を伝える報道が相次いでいる。MLB公式の2026年ポストシーズンFAQでも、ドジャースの4人の先発として山本由伸、タリク・スクーバル、ブレーク・スネル、タイラー・グラスノーが挙げられ、佐々木は救援陣の一人としてリストアップされた。

ただ、今回の焦点は単純な「守護神再任」ではない。

昨季の佐々木が見せたのは、9回だけを担当するクローザーではなく、試合終盤の最も重要な場面に複数のイニングをまたいで投入できる救援投手としての価値だった。

 

▪️48球のシミュレーテッドゲームでの復調ぶり

佐々木は16日、レッズ戦を前に4イニングのシミュレーテッドゲームに登板した。

投じた球数は48球。

右手中指のまめを確認しながらの実戦形式で、エリエゼル・アルフォンゾには本塁打を許したものの、ロバーツ監督は登板全体について「良かった」という評価を示した。

米国のロサンゼルス・ドジャース番記者ビル・プランケット氏の報道によると、

佐々木投手は患部にDermabond(医療用の皮膚接着剤)を施して投球。

MLBの許可を得れば、試合でも使用できるものとされている。

ここは今回の復帰過程で重要なポイントになる。

単に打者を相手に投げられたかどうかだけではなく、患部を保護した状態で複数イニングを投げ、翌日以降に問題が生じないかを確認することが重要だからだ。

MLB公式の故障情報でも、右手中指のまめで8月27日に負傷者リスト入りし、9月9日には打者を相手に複数イニングの投球を行っていた。

16日の4イニングは、その後の復帰プロセスをさらに進める登板となった。

ロバーツ監督は登板後、役割についてチーム内でじっくりと話し合う考えを示している。

つまり、故障からの復帰そのものは大きく前進した一方、

最終的な起用法はまだ確定していない。

 

▪️海外ではポストシーズンは中継ぎ 抑えが有力視

米国メディアの報道では、佐々木がレギュラーシーズンの残り期間に先発へ戻る可能性と、救援として復帰する可能性の双方が取り上げられている。

The Big Leadは16日、ドジャースが佐々木のレギュラーシーズンでの役割をまだ決めていないと報じる一方、ポストシーズンではブルペンから起用される見通しを伝えた。

また、米国のドジャース専門メディアでも、

「レギュラーシーズンでは先発復帰の選択肢を残しながら、10月は救援へ」という見方が出ている。

この背景にあるのが、ドジャースの先発陣だ。

MLB公式のポストシーズンFAQでは、現時点の「Big Four」として山本、スクーバル、スネル、グラスナウの4人が明記されている。

一方で、16日のレッズ戦ではスネルが左脚の付け根の張りを訴え、1イニングで降板した。9月17日付のReutersによれば、スネルは試合後に状態を確認することになっており、先発陣については今後の状態変化も見逃せない。

したがって、佐々木が先発ローテーションへ戻る可能性が完全になくなったわけではない。

ただ、健康な4人がポストシーズンの軸になるという現時点の球団構想を考えれば、佐々木にとって救援が有力なルートになっていることは確かだ。

 

▪️佐々木を必要とするのは「9回」だけではない

ドジャースの救援陣をめぐっては、9回だけを見ても状況が流動的だ。

今季、主にセーブ機会を任されてきたのはタナー・スコット。

9月16日時点で65試合に登板し、59回2/3で22セーブ、防御率2.87を記録している。

セーブ機会26回のうち22回を成功させている。

一方、9月13日のマーリンズ戦では、スコットが9回に登板して同点二塁打を浴び、

ドジャースは延長ではなくそのままサヨナラ本塁打を許して敗れた。

MLB公式によれば、スコットは9回無死からジャビエル・サノハに同点の2点二塁打を浴びている。

ただし、この1試合だけを理由にスコットを評価するのは適切ではない。

むしろ重要なのは、ドジャースがポストシーズンで「誰か一人を固定した9回」に依存するのか、それとも相手打線や試合展開によって救援投手を動かすのかという点にある。

その意味で佐々木の存在は、9回限定のクローザー候補というより、終盤の起用パターンを増やす投手として意味を持つ。

 

▪️エドウィン・ディアスの復調が最大の焦点

もう一人、大きな鍵を握るのがエドウィン・ディアスだ。

ドジャースは昨オフ、ディアスと3年総額6900万ドルの契約を結んだ。球団が期待したのは、終盤を任せられる経験豊富なクローザーだった。

しかし今季のディアスは16試合で防御率11.85。11度のセーブ機会で4度の失敗があり、右肘の手術や首の炎症も重なっている。

さらに9月14日には、トリプルAでのリハビリ登板で2/3回を投げて5失点、2四球。ロサンゼルス・タイムズは、ポストシーズンのロースター入りそのものが保証されていない状況を報じた。ロバーツ監督も「何かしらの証拠」が必要だとの趣旨を語っている。

もっとも、その後のディアスがすべて悪いわけではない。

9月10日のリハビリ登板では1回を無失点に抑え、18球中10球がストライク。MLB公式によると、最速97.9マイルを記録した一方、今季の平均速球速度96.1マイルは自己最低だった。

つまり、ディアスについては「復帰できるか」ではなく、「どの状態で戻れるか」がポイントになっている。

 

▪️エンリケス離脱で救援陣の組み合わせも変化

さらにドジャースでは、エドガルド・エンリケスが9月15日に右腰の違和感で15日間の負傷者リスト入りした。

エンリケスは今季60イニングで防御率2.85、71奪三振。レギュラーシーズン中の復帰はできないが、ロバーツ監督は「軽度」の負傷としており、ポストシーズン復帰の可能性は残されている。

ここが佐々木の存在価値を考えるうえで重要になる。

ディアスが万全で戻る。

エンリケスもポストシーズンに間に合う。

スコットが終盤の左腕として機能する。

さらにベシア、フィリップス、ドレイヤー、スチュワートらがいる。

このように候補がそろえば、佐々木を「9回固定」にする必要性は薄くなる。

逆に、誰かが状態を落とした場合、佐々木を高レバレッジの場面へ投入する選択肢が生まれる。

つまり、佐々木の価値は「守護神になるかどうか」だけでは測れない。

佐々木が再び救援へ回る可能性を語るうえで、最大の根拠は昨季の経験だ。

2025年、佐々木は右肩の故障から9月24日に復帰。ドジャースは復帰後に救援へ配置した。

MLB公式によれば、プレイオフでは9試合、10回2/3を投げ、防御率0.84。救援転向によって球速を高め、スプリットを生かした投球が機能した。

さらにフィリーズとの地区シリーズでは、9回を締めるだけでなく、複数イニングを投げる役割も経験した。

佐々木は「クローザー未経験の先発投手」ではない。

すでにメジャーのポストシーズンで、最後のアウトを取る場面も、複数イニングを投げる場面も経験している。

しかも2026年は、シーズンを通して先発として119回1/3を投げている。

先発としての調整を積みながら、昨季とは違う状態で救援へ戻ることになる。

 

▪️まずは指の状態、そして残りのレギュラーシーズン

佐々木のポストシーズン起用を考える前に、もう一つ重要な確認がある。

右手中指だ。

16日の48球は大きな一歩になったが、これだけで完全復帰が決まるわけではない。

ドジャースは佐々木を急いで実戦へ戻すよりも、患部の状態を確認しながら段階を踏んできた。MLB公式でも9月18~20日のジャイアンツ戦での復帰が見込まれているとされていた。

レギュラーシーズンの残り試合で

先発として戻すのか、それとも短いイニングの救援として使うのか。

その判断が、ポストシーズンでの役割にもつながってくる。