金子晃大選手が難敵 璃明武選手との再戦へ 自身の不調を徹底修正し5度目の防衛戦=K-1 WORLD MAX 2026

2026.9.5

【©️K-1】

9月12日(土)、東京・国立代々木競技場第二体育館で開催される「K-1 WORLD MAX 2026」で、K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王者の金子晃大選手(K-1ジム自由ヶ丘/FROG GYM)が5度目の防衛戦に臨む。

【株式会社ランドハウジング PRESENTS】K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級タイトルマッチで、金子選手が迎え撃つのは、かつてK-1-55kg世界トーナメントで対戦した璃明武選手(K-1ジム総本部チームペガサス)。

2024年の世界トーナメントでは金子選手が判定で勝利した両選手が、再びタイトルを懸けて激突する。

一度は退けた難敵との再戦。それでも金子選手は、この一戦から逃げることなく受け入れた。

その背景にあるのが、昨年から感じていた自身のコンディションの問題と、今年2月から本格的に取り組んできたトレーニングの見直しだ。

金子選手は今回のインタビューで、昨年から続いていた自身の不調と向き合いながら、練習方法や身体の感覚を細かく見直してきたことを明かした。


 

▪️SNS時代で「現実を生きる」あえて情報を出さない理由

最近の金子選手は、SNSでの発信が少ない。

ファンから心配されるほど情報を発信しないことについて、金子選手は「あえて書かない。あえて情報を出さない」と、その理由を明かす。

情報が飛び交うSNS全盛の時代だからこそ、金子選手が重視しているのは、画面の中ではなく目の前にある現実だ。

「みんな、もう今SNSじゃないですか。世界が」

そう話したうえで、金子選手は「もっと現実を生きないと」と続ける。

その「現実」とは、金子選手にとって毎日の練習だ。

「練習ですよ、練習…。毎日変わらずに」

ただ、練習そのものはこれまでと同じではない。

技術面だけではなく、練習の方法そのものにも変化を加えているという。

 

▪️自分自身の違和感と向き合い、コンディションを修正

金子選手は昨年1年間を振り返り、「調子良くなかった」と自身のコンディションについて率直に語る。

だからこそ、現在はその原因を一つずつ修正する作業を続けている。

「自分の違和感を大事にしようと思っています」

金子選手は身体について「生もの」と表現する。

同じ練習をしていても、身体に合う時もあれば、合わない時もある。その微妙な変化を感じ取りながら、その時々の自分に合った方法を選択していく。

「これだけ調子が悪いっていうのは、絶対に原因があるので。そこを解決しないといけない」

金子選手自身の中では、原因はいくつかあり、それらが連鎖していたという。

一つが噛み合わなければ、別の部分も噛み合わなくなる。

その状態について金子選手は、「マイナスの部分が、マイナスをまた合わせてしまっているような感覚」と説明する。

だからこそ現在は、「これが合っている」という自分自身の感覚を優先している。

 

▪️今年2月から徹底してきた「研ぎ澄まされた自分の感覚」

金子選手が大きく意識を変えたのは今年2月からだ。

スパーリングなどでは良い動きができている一方、それが試合では続かない。

そのギャップを埋めるため、毎日の練習で細かな変化を加えながら、自分自身の感覚を探っている。

「試合が調子悪くてもスパーリングとかはいいんですよ。でも、それが続かないというか。そこを修正していって。今年の2月から僕は、それを結構大事にしてきました。結構変わってますよ」

本人の中では、確かな変化を感じている。

ただし、それが実戦でどこまで表れるのかは、実際にリングへ上がってみなければ分からない。

だからこそ、9月12日の璃明武選手とのタイトルマッチは、現在の金子選手を確かめる重要な一戦になる。

 

▪️大久保琉唯選手との一戦を受けた理由は「答え合わせ」

今年2月、金子選手は大久保琉唯選手とのタイトル戦を予定していた。

しかし、大久保選手の体重超過によりタイトルマッチとしては成立せず、ノンタイトル戦として行われた。

それでも金子選手が試合を受けた理由は明確だった。

「答え合わせをしたかったからです」

自分が取り組んできたことが正しかったのか。

現在の自分のコンディションがどうなのか。

それを確認するためには、実戦が必要だった。

「そもそも自分のやってたことが合ってるのかみたいな。やっていなかったら、それがわからないまま次の試合をしてしまう」

試合後、金子選手は自身のパフォーマンスについて厳しい言葉を口にした。

「もうヤバイですよ。とんでもない試合をしてしまったなと」

しかし、その試合を単なる失敗として終わらせることはなかった。

「逆に言うと、あそこで出せてよかったですね。どうやって修正するか、原因を考えることができるので」

大久保選手の体重超過という特殊な状況だったものの、金子選手が問題視したのは相手ではなく、自分自身の動きだった。

「相手うんぬんじゃなくて、自分の問題なので」

この経験もまた、現在の金子選手が自分自身を見つめ直すきっかけになっている。

 

▪️「昔の自分に戻る」のではなく、その先へ

現在の金子選手が目指しているのは、以前の好調時に戻ることだけではない。

その先にある「進化」だ。

「いい時に戻ったとしても、別にそういうところじゃないんですよ、目指さないといけないのは。もっと上を目指しているんで」

王者として、相手から研究される立場にある以上、現状維持ではいられない。

「良くして、さらに進化しているようにならないと」

金子選手が目指すのは、過去の自分を取り戻すことではなく、それを超えていくこと。

王座を守り続けるためにも、常に新しい自分を作り上げる必要がある。

 

▪️璃明武選手は「苦手なポイント」を狙ってくる難敵

そんな金子選手の前に立ちはだかるのが璃明武選手だ。

金子選手自身も、璃明武選手が自身の苦手なポイントを研究し、対策をしてくると見ている。

「しっかり、僕の苦手なポイントを対策してくるでしょうね。もちろん自分自身進化していかなければ、やられると思っています」

2024年のK-1-55kg世界トーナメントでは、両選手が対戦。

金子選手が僅差の判定で勝利している。

その試合を踏まえれば、璃明武選手にとって今回のタイトル挑戦は、前回の敗戦を乗り越えるための重要な機会になる。

一方の金子選手にとっても、自分を研究してくる相手をどう攻略するかが大きなテーマだ。

 

▪️「逃げても、いずれ捕まる」金子選手が再戦を受けた理由

一度勝利している璃明武選手との再戦。

なぜ、あえて再び戦うのか。

金子選手の答えには、王者としての強い覚悟がにじんでいる。

「そういう人っていずれどこかで捕まるんで」

苦手なタイプから逃げ続けても、いつか似たタイプの選手と巡り合う。

競技を変えても、団体を変えても、その苦手そのものから逃げることはできない。

「だったら、そこに立ち向かった方がいいじゃないですか」

そして、

「超えた方がいいじゃないですか。超えていかないと」

苦手を避けるのではなく、真正面から向き合い、それを乗り越える。

璃明武選手との再戦は、金子選手にとって単なるタイトル防衛戦ではない。

自身が次のステージへ進むための試金石でもある。

 

璃明武選手は今年5月、乙津陸選手を判定で破り、3連勝を達成した。

金子選手も、その試合をチェックしている。

璃明武選手の戦いについて、金子選手は、

「やっぱり、相手がやりづらい戦いをしっかりやってますよね」

とリスペクトを持って評価する。

相手に自分の戦いをさせない璃明武選手のスタイルは、金子選手にとっても攻略すべきポイントになる。

では、そんな難敵をどう攻略するのか。

金子選手が挙げたのは、やはり練習だった。

「練習して、スパーリングして、試してみたいなことを繰り返して作っていきます」

そして最後に残るのは、自分自身の感覚だ。

「結局は、自分の感覚を大事にしています」

 

 

昨年から感じていた自身の不調と向き合い、今年2月から取り組んできた練習方法やコンディションの修正が、実戦でどこまで形になっているのか。

過去の自分を取り戻すだけではなく、その先へ。

難敵・璃明武選手との再戦は、金子選手が王者としてさらに一段上へ進むための重要な一戦になる。

 


【大会概要】

K-1 WORLD MAX 2026

日時:2026年9月12日(土)

会場:東京・国立代々木競技場第二体育館

株式会社ランドハウジング PRESENTS

K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級タイトルマッチ

王者:金子晃大選手(K-1ジム自由ヶ丘/FROG GYM)

挑戦者:璃明武選手(K-1ジム総本部チームペガサス)

ルール:3分3R・延長1R


【文:高須基一朗】