璃明武選手 完全制覇への挑戦「金子選手に勝って、僕の時代にしたい」 2度敗れた王者・金子晃大との3度目の決戦へ=K-1 WORLD MAX 2026
【©️K-1】
「ここでしっかり勝って、55kgの階級を完全に自分の時代にしたい」
璃明武選手が、明確な言葉で決意を示した。
9月12日(土)、東京・国立代々木競技場第二体育館で開催される「K-1 WORLD MAX 2026」。その【株式会社ランドハウジング PRESENTS】K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級タイトルマッチで、第7代Krushスーパー・バンタム級王者の璃明武選手(K-1ジム総本部チームペガサス)が、K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王者・金子晃大選手(K-1ジム自由ヶ丘/FROG GYM)に挑戦する。
両者の対戦は、今回が3度目。
過去2度はいずれも金子選手に軍配が上がった。
だからこそ、今回のタイトルマッチは璃明武選手にとって単なる王座挑戦ではない。
長く追い続けてきた王者を乗り越え、
自らがスーパー・バンタム級の中心に立つための大一番となる。
▪️「金子選手は、相変わらず強い」
璃明武選手は、金子選手のK-1の舞台における力量について率直な評価を口にした。
前戦となった大久保琉唯選手との一戦は、大久保選手の体重超過によりノンタイトル戦として行われた。
その試合を会場で見届けた璃明武選手は、勝敗そのものではなく、両者の動きに注目していたという。
「大久保選手の動きが良かったと思いました。もちろん勝敗とかではなくて、動きだけしか見ていないです」
そして、王者・金子選手については、現在も変わらぬ強さを認める。
「なんだかんだで、ずっとチャンピオンでいるわけじゃないですか。なので強いんですよ、相変わらず金子選手は」
長く王座を守り続ける王者だからこそ、挑戦者たちは研究し、攻略法を探してくる。
璃明武選手は、金子選手が「弱くなった」と見るのではなく、トップで戦い続ける中で周囲の対策が進んだ結果だと捉えている。
ずっと上にいたらみんな対策するし、攻略もしてくると思います。落ちてる可能性もありますけど、自分的には第三者が弱くなってきたとか言うのはムカつくんですよね」
そこには、2度対戦してきた相手だからこそのリスペクトがある。
「金子選手には、自分の中で一番思い入れの強い選手。2回やって負けているんで」
そして、その言葉は今回の再戦に向けた覚悟へとつながっていく。
▪️2度の敗戦を糧に「同じことにならないように・・・」
両者が初めて交わったのは、2024年。
K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級の世界トーナメントで対戦し、金子選手が勝利。
同年9月の準決勝でも再戦したが、ここでも璃明武選手は僅差の判定で敗れた。
その試合ではホールディングによる減点もあり、試合後にはさまざまな声が上がった。
璃明武選手自身も、後頭部へのパンチなどについて正式に異議申し立てを行ったという。
「SNSでクレームとかを言う奴は自分は嫌いなんで、ちゃんと正式に書面を出して異議申し立てをしました。SNSで負けていないとか言っても何も変わんないんで」
結果を覆すためではない。
自分自身が納得し、次へ進むためにできることをやった。
「そこで納得しなかったら終わらないんで。次に金子選手とやるつもりだったので、同じことにならないように練習していたという感じです」
過去の判定を引きずるのではなく、そこから自分自身を変える。
それが、今回の再戦へ向けた璃明武選手のスタンスだ。
▪️乙津陸戦は「次の決勝」を見据えた戦い
再戦への準備は、前戦から始まっていた。
今年5月、璃明武選手は乙津陸選手と対戦。
試合では相手に主導権を与えず、完封とも言える内容で勝利を収めた。
しかし、本人にとっては単なる一戦ではなかった。
その先に金子選手とのタイトル戦を見据えていたからだ。
「その先に金子戦があると思っていたので、自分の中では怪我をしないように慎重に戦っていました」
しかも、すべての引き出しを出したわけではない。
「実は怪我もあったので、悪化したら嫌なので出さない攻撃とかもありましたね。当てる場所とかも、全部狙って打っていました」
試合後は、翌日から練習できるほどの余力を残していたという。
「試合が終わって、もう次の日から練習できるくらいの余裕がありました」
まさに、金子戦を見据えた準備の一環だった。
▪️減量法も変更―「負担が少なくできた」
今回のタイトル戦に向けて、璃明武選手は減量方法にも変化を加えた。
計量当日の体重、減量期間、食事量、水抜きの量や方法など、実際の試合でなければ確認できない部分を細かく調整した。
「食べるものを変えてみたり、いろいろやりましたね。あと水抜きの仕方も、ちょっと変えてみたり。時間とか、やり方を変えてみて、どっちの方がいいのかなと」
その結果は良好だった。
「良かったですね。(体への)負担が少なくできました」
長丁場となるタイトル戦を見据え、コンディション面でも準備を進めてきた。
技術だけではない。
身体の状態、練習方法、減量方法まで含めて、過去の経験を今回の戦いにつなげている。
▪️「4ラウンドの延長まで、本当にきつい試合を想定」
では、9月12日の金子戦はどんな展開になるのか。
璃明武選手にとって、簡単な試合になるという想定はない。
「毎試合ですけど、厳しい試合を予想して臨んでいます。そうしないと、試合で厳しくあった時に困るんで」
さらに、3分3Rだけではなく、延長ラウンドまで含めて準備している。
「今回も、4ラウンドの延長まで含めて、本当にきつい試合になることを想定して準備しています」
2度戦った相手だからこそ、互いの特徴は分かっている。
だからといって、戦いが単純になるわけではない。
「そんな大幅にスタイルは変わらない。逆にスタイルチェンジしたら弱くなる場合もあるので、ある程度はお互い一緒だと思います」
互いの武器を知り尽くしたファイター同士だからこそ、最後に問われるのは一瞬の判断と積み重ねてきた準備になる。
▪️「金子選手に勝って、僕の時代にしたい」
そして、璃明武選手が今回のタイトル戦に込める最大のテーマがある。
それは、自らの時代をつくることだ。
金子選手はK-1王者として長くスーパー・バンタム級の頂点に立ち続けてきた。
一方の璃明武選手も、Krush王者として長く55kg戦線を支えてきた。
「金子選手がK-1王者を4年くらいやってきて、自分はKrush王者を4、5年くらいやっているんですよ」
追い続けてきた王者。
その背中を、今度こそ自分が越える。
「自分は金子選手をずっと追っている状況で、ここでしっかり勝って55kgの階級を完全に自分の時代にしたいです」
そして最後に、璃明武選手は明確な言葉を残した。
「金子選手に勝って、僕の時代にしたいです」
その先に見据えるのは、国内での王座戴冠だけではない。
「ここでチャンピオンになって、海外の選手と戦っていきたいですね」
「完全制覇」へ自らの時代を切り開くための一戦が始まる。
【文・構成 :高須基一朗】


