サーティワン ロゴ全面刷新へ「日常利用」拡大で全世代ブランドに転換

2026.3.26

アイスクリームチェーン大手のB-R サーティワン アイスクリームは、2026年4月1日からブランドロゴを全面刷新する。今回の変更は単なるデザイン変更ではなく、2021年から進めてきたブランドリニューアルの総仕上げと位置づけられており、ブランド戦略の転換を象徴する動きとなる。

これまでの「家族連れや女性中心」というイメージから脱却し、世代や性別を問わない幅広い客層へブランドを拡張する狙いがある。


 

▪️新ロゴは“シンプル×グローバル”

新ロゴでは、従来のピンクとブルーを基調としたカラーを踏襲しながらも、境界線をなくしたグラデーションを採用。BASKIN ROBBINSの頭文字「B」と「R」の間に「31」を配置する構成は維持しつつ、よりシンプルで現代的なデザインへと刷新された。

女性客中心という従来の強みを維持しながら、大人層や男性客、Z世代、さらには訪日外国人まで取り込むことで、顧客層の裾野を広げる戦略とみられる。

 

▪️ロゴ刷新は「戦略の可視化」

外食や小売チェーンにとってロゴ変更は単なる見た目の変更ではなく、企業戦略やブランドの方向性を視覚的に示す重要な施策だ。

サーティワンは、世界1400種類以上のフレーバーを持つ強みを「31」という数字で表現し、「選ぶ楽しさ」というブランド価値を改めて打ち出した。

また、シンプルなデザインはデジタル時代への対応という意味合いもある。スマートフォンやアプリ上での視認性向上、SNSでの拡散を意識した設計とみられる。

同社の公式アプリ「31Club」は2025年時点で会員数1090万人を突破し、売上の約43%を占めるまでに成長。デジタルを軸とした顧客接点の強化が進んでいる。

店舗面でも「LOUNGE」「STUDIO」といった新コンセプト店舗を展開し、単なるアイス販売店から体験型店舗への進化を進めている。

 

▪️他社に学ぶロゴ変更の成功と失敗

ロゴ刷新の成否は、他社の事例からも明らかだ。

ユニクロは赤地に白文字のカタカナロゴを前面に押し出し、日本発ブランドとしての独自性を強化。シンプルで高品質というブランドイメージを視覚的に伝え、世界的ブランドへと成長した。

また、スターバックスは2011年にロゴから「COFFEE」の文字を削除し、人魚のシンボルのみへ簡略化。コーヒーにとどまらないライフスタイルブランドへの転換を示し、ブランド価値向上に成功した。

一方で失敗例もある。GAPは2010年に新ロゴを発表したが、従来イメージとの乖離が大きく批判が殺到し、わずか数日で撤回に追い込まれた。

ロゴ変更は、「企業戦略との整合性」と「顧客のブランド愛着」の両立が不可欠であることを示している。

 

▪️なぜ今「客層拡大」なのか

今回の刷新の背景には、顧客層の再定義がある。

新ロゴで「31」を強調することで、初来店客や外国人にも「種類が多い店」であることを直感的に伝える狙いがある。シンプルでグローバル感のあるデザインは、Z世代やインバウンド需要への対応にもつながる。

最大のポイントは「日常利用へのシフト」だ。誕生日などのイベント利用中心から日常利用へと広げることで、来店頻度の向上を目指す。

さらに、高齢層にも見やすいデザインとすることで、日本の人口構造の変化にも対応し、「全世代型ブランド」への転換を進める。

インバウンド需要の取り込みでは、日本限定フレーバーの存在も強みとなる。北海道産あずきを使った「大納言あずき」や抹茶フレーバーなど、日本ならではの味は訪日外国人からの人気も高く、SNSでの拡散効果も期待される。

 

▪️日本で積み上げた50年のブランド力

サーティワンは1973年に不二家と米バスキン・ロビンス社の合弁会社として設立され、1974年に東京・目黒に1号店を開業した。

1970年代後半にはチョコレートミントがヒットし、日本に「チョコミント文化」を広めた存在としても知られる。

現在は全国約1066店舗(2025年末時点)を展開し、「ポッピングシャワー」や「大納言あずき」などの人気フレーバーを中心に幅広い世代の支持を集めている。

 

▪️好業績の中での“攻めの刷新”

今回のロゴ刷新は、業績好調を背景にした“攻めの施策”でもある。

2025年12月期の連結決算では、売上高、営業利益、純利益すべてで過去最高を更新。アプリ会員の売上構成比も43%に達し、デジタル戦略が業績拡大を後押ししている。

フランチャイズを含む国内総小売売上高も4年連続で過去最高を記録するなど、同社は成長局面にある。

今回のロゴ刷新は、「ブランドは進化し続ける」というメッセージでもある。

既存顧客を維持しながら、新たな顧客層を取り込む。サーティワンの取り組みは、外食・小売業界におけるリブランディングの典型例と言えそうだ。

2026年4月以降、このブランド刷新が来店頻度や売上拡大にどこまで寄与するのか!?