坪井智也、世界王座獲得ならず マラジカと12回激闘も判定負け…プロ5戦目での史上最速タイ世界王座ならず
WBC世界スーパーフライ級1位の坪井智也選手(帝拳)は9月27日、東京・TOYOTA ARENA TOKYOで行われたWBC世界スーパーフライ級王座決定戦で、同級2位のリカルド・マラジカ選手(南アフリカ)と対戦した。
世界王座を懸けた12回戦は最後まで激しい攻防が続いたが、坪井選手は判定で敗れ、プロ5戦目での世界王座獲得はならなかった。
▪️立ち上がりから前へ出た坪井選手
坪井選手は序盤から積極的に前進し、ボディー攻撃を交えながら距離を詰める展開を選択。一方、マラジカ選手は坪井選手を約9センチ上回るリーチを生かし、ジャブや右ストレートで迎え撃った。
1回にはバッティングによって坪井選手の額から出血するアクシデントも発生。それでも攻撃の手を緩めず、2回以降も前へ出てマラジカ選手にプレッシャーをかけ続けた。
3回、4回と坪井選手は左ジャブから距離を詰め、右ストレートやボディーへの攻撃を織り交ぜる。4回終了時点の公開採点は、39―37で坪井選手を支持するジャッジが1人、38―38が2人という接戦だった。
▪️中盤も坪井選手がプレッシャーをかける
5回以降も坪井選手は前進を続け、マラジカ選手を下がらせる場面を作った。
6回にはマラジカ選手が接近戦を仕掛ける場面もあったが、坪井選手はガードを固めながらボディー攻撃を返し、距離を詰めて左フックなどを繰り出した。
一方、7回には再び坪井選手の額から出血。マラジカ選手も右ストレートなどを返し、試合は徐々に拮抗した展開へと変化していった。
8回終了時の公開採点は77―75が2人、76―76が1人。ここでも両者の差はわずかだった。
▪️終盤はマラジカ選手の右が坪井選手を捉える
9回から12回にかけては、両者が最後まで打ち合う展開となった。
マラジカ選手は右ストレートを軸に、左へのスイッチも交えながら攻撃。10回には右ストレート、ワンツー、ボディーへのパンチを決め、11回も坪井選手が前に出るタイミングに合わせて右ストレートを返した。
12回は両者とも最後まで手を止めず、坪井選手も細かな連打やボディー攻撃で反撃。最終ラウンドまで激しい攻防が続いた。
しかし、12回を終えて勝敗は判定へ。坪井選手は世界王座に届かなかった。
▪️プロ5戦目での世界王座挑戦という異例のキャリア
今回の世界戦で坪井選手が注目された理由の一つが、プロ5戦目という早さだった。
東日本ボクシング協会によると、坪井選手はWBC世界スーパーフライ級1位として、同級2位のマラジカ選手との王座決定戦に臨んだ。
坪井選手はアマチュア時代に2021年の世界選手権で金メダルを獲得。プロ転向後もキャリアを急速に進め、今回の世界初挑戦へたどり着いた。
試合前には国内最速タイとなるプロ5戦目での世界王座獲得、さらにアマチュア世界選手権金メダルとプロ世界王座を獲得する日本人初の記録も期待されていた。
▪️それでも世界の舞台で示した存在感
マラジカ選手は前日計量で51.7キロ、坪井選手は52.0キロで、ともにリミットをクリア。マラジカ選手は坪井選手より身長、リーチで上回る体格を持つ選手だった。
その相手に対し、坪井選手は序盤から前へ出るスタイルを貫いた。
額からの出血というアクシデントを抱えながらも12回を戦い抜き、最後まで攻撃を続けたことは、世界王座決定戦という大舞台での戦いとして大きな意味を持つ。
今回は世界王座を逃す結果となったが、プロキャリアそのものはまだ5戦目。アマチュア世界王者として培ってきた技術を持つ坪井選手が、この敗戦を今後のプロキャリアでどのように生かしていくのか。
