井上拓真選手が那須川天心選手を再び返り討ち 7回にダウンも3―0判定でWBC王座2度目の防衛
プロボクシングのWBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦が
27日、東京・江東区のトヨタアリーナ東京で行われ、
王者・井上拓真選手が同級1位の那須川天心選手を3―0の判定で下した。
井上t選手は2度目の防衛に成功。
7回には那須川選手からダウンを奪われる場面もあったが、それまでに積み重ねたポイントを守り切り、2度目の直接対決でも勝利を手にした。
判定は114―113、116―111、116―111。
ジャッジ3人のうち2人が5ポイント差をつける結果となった。
▪️序盤から完璧な対応力を見せた井上拓真
試合は、那須川選手が持ち味のスピードと距離感を生かしてスタートした。
一方の井上選手は、相手との距離に応じて戦い方を変化させながら、着実にポイントを重ねていった。
接近戦ではパンチをまとめ、距離が開けばアウトボクシングに切り替える。試合の展開に応じて引き出しを使い分け、那須川選手の動きを抑えていった。
昨年11月の初対戦でも、序盤は那須川選手がペースを握ったものの、中盤以降は井上選手が試合をコントロール。今回も同様に、ラウンドを重ねるごとに王者の対応力が際立つ展開となった。
▪️7回に那須川天心がついにダウンを奪う
試合の流れが大きく動いたのは7回だった。
那須川選手が攻撃を強め、井上選手からダウンを奪取。会場が大きく沸く場面となった。
しかし、井上選手はその後も冷静さを失わなかった。残るラウンドで立て直し、最後まで戦い抜いて判定勝利につなげた。
ダウンを奪われながらも勝ち切ったことで、王者としての試合運びと修正力も示す結果となった。
▪️約100ラウンドのスパーリングで準備
「拓真―天心2」が決まって以降、
井上選手は那須川選手を攻略するための準備を進めてきた。
メキシコなどから来日した3人のスパーリングパートナーを相手に、
約100ラウンドの実戦練習を重ねたという。
さらに北海道合宿では、兄の井上尚弥選手も弟をサポート。
試合に向けたトレーニングをともに行い、メンタル面でも支えた。
井上選手は試合後、「一緒に練習を追い込んでやって、同じ気持ちで向かってくれた。力になりました」と兄への感謝を口にした。
▪️勝利して対戦相手に本音「天心選手、やっぱり強い」
試合前には、Prime Videoが集計した勝者予想で、
井上選手47.8%、那須川選手52.2%という数字も示されていた。
井上選手にとっては、自身が不利と見られる状況を覆すためのモチベーションにもなった。
そして試合後、井上選手は那須川選手について率直に語った。
「天心選手、やっぱり強いです。すごい成長しているなって感じましたし、だからこそ自分もこうやって気合いを入れて戦うことができました」
勝敗だけではなく、再戦を通じて那須川選手の成長を認めたコメントだった。
▪️那須川天心は同じ選手に2度負けて世界王座に届かず
那須川選手は今回がプロ8戦目。キックボクシング時代から無敗を続け、ボクシング転向後も注目を集めてきた。
昨年11月の初対戦では井上選手に判定で敗れたものの、今回は7回にダウンを奪うなど、前回とは異なる内容を見せた。
一方、井上選手は23勝5KO2敗となり、世界王者として2度目の防衛を達成した。
▪️次なる目標は主要4団体統一
防衛を果たした井上選手が掲げる次なる目標は、主要4団体の王座統一だ。
「打たせないで打つ。その中でも、しっかり攻撃的な部分では見せられるボクサーになりたいです」
そう語る一方で、「まだ完成ではない。まだ伸びしろもあると思っている」とさらなる成長への意欲も示した。
兄・尚弥選手が4団体統一を成し遂げた階級で、弟の拓真選手も統一への道を歩み始める。

