RIZIN榊原信行CEOの“読み”はなぜ当たるのか!? 平本蓮選手, 朝倉未来選手, グスタボ選手…全てを動かすプロデュース力の真価
【榊原氏のofficial Instagramより投稿画像】
格闘技イベント「RIZIN」を率いる榊原信行CEOの発言が、再び大きな注目を集めている。5月10日に兵庫・GLION ARENA KOBEで開催された『RIZIN.53』後の会見では、平本蓮選手、皇治選手、ルイス・グスタボ選手、さらには朝倉未来選手の名前まで飛び出し、その一言一句が次なる物語を予感させた。
大会は10,396人を動員。
メインイベントではルイス・グスタボ選手がイルホム・ノジモフ選手を1R TKOで下し、悲願のRIZINライト級王座を獲得した。一方、セミファイナルでは平本蓮選手と皇治選手による“判定なし”の特別ルールマッチが実現。勝敗以上に、その話題性と熱量が大会全体を包み込んだ。
榊原CEOは会見で、「次の挑戦者がグスタボの首を狙って待っている」と語り、王者誕生の余韻に浸る間もなく次の競争を見据えた。また、平本蓮選手の復帰戦候補として浮上した久保優太選手についても、「“本当に久保でいいのかよ・・・”って感じ」と発言。これは単なる煽りではなく、“復帰戦”という位置づけでありながら、そのカードが持つ危険性と価値を冷静に分析した言葉とも言える。
実際、榊原CEOの発言には常に“興行全体を俯瞰する視点”が存在する。
単純な対戦カードの是非ではなく、「誰と誰が戦えば市場が動くのか」「どのタイミングなら最大化できるのか」を見極めた上で言葉を発している点が特徴的だ。
象徴的だったのが、朝倉未来選手と皇治選手の対戦について「興味がない」と言い切った場面だろう。一見すると意外にも映るが、その裏には“本当にファンが見たいものは何か”を見抜く冷静な判断が透けて見える。話題性だけではなく、競技性、ストーリー性、そして未来への広がりまでを含めて考えているからこその発言だった。
さらに今回、榊原CEOが強調したのは“大会の熱”だった。
4月大会の高い期待感と比較されながらも、「最終的には皇治と平本蓮のカードも含めて、前回に近い観客数が入った」と総括。
そのうえで「格闘技の魅力を引き出した試合が多かった」と手応えを口にした。
ここに、RIZINが継続的に支持される理由がある。単にビッグネームを並べるだけではなく、選手の背景、ファン心理、SNS時代の拡散力まで計算し尽くした“総合演出”が存在しているのだ。
PRIDE時代から日本格闘技界の浮き沈みを見続けてきた榊原CEOは、競技だけではビジネスが成立しない時代を熟知している。その中で、“強さ”だけでなく、“物語”をどう成立させるかを徹底的に追求してきた。
だからこそ、榊原CEOのプロデュース力はいまなお陰りを見せない。
むしろ時代に合わせて進化を続けていると言っていい。RIZINが国内最大級の格闘技イベントとして熱狂を生み続けている背景には、榊原CEOの的確な言語化能力と、先を読む力が確かに存在している。
【文:高須基一朗】


