冨樫義博先生の人気漫画『HUNTER×HUNTER』10週連続掲載が終了 次の掲載を待つ時間も作品を楽しむ・・・読み返すほど新たな発見

2026.9.7

冨樫義博さんの漫画『HUNTER×HUNTER』の連続掲載が、

9月7日発売の『週刊少年ジャンプ』2026年41号(集英社)をもって一区切りとなった。

6月29日発売の同誌31号で約1年半ぶりに第411話が掲載されて以降、第420話まで10週連続で掲載。多くのファンが予想していた通りの形で、今回の連続掲載を終えることになった。

同号には第420話を掲載。次回となる第421話以降については、「決定次第、本誌で発表いたします」と告知されており、具体的な掲載時期は現時点で明らかになっていない。

一方で、連載が一区切りを迎えたことは、必ずしも『HUNTER×HUNTER』を楽しむ時間の終わりを意味するものではない。

むしろ、複雑に入り組んだ物語だからこそ、次の掲載を待つ時間に過去のエピソードを読み返すことで、新たな発見を楽しめる作品でもある。


 

▪️10週連続掲載で一区切り 前回と同じ流れに

『HUNTER×HUNTER』は2024年10月にも、第401話から第410話まで10話連続で掲載。その後、次回掲載時期が未定となり、「決定次第、本誌で発表」と告知されていた。

今回も第411話から第420話まで10話が連続掲載され、前回と同じく一区切りを迎えた。

2022年には、冨樫さんの体調などを考慮し、週刊連載という掲載形態から変更。現在は原稿の進行状況などを踏まえ、複数話をまとめて掲載する形式が続いている。

そのためファンにとっては、「次はいつ読めるのか」という待ち時間も作品との付き合い方の一つになっている。

そして、この待ち時間をより豊かなものにしているのが、『HUNTER×HUNTER』ならではの物語の奥深さだ。

 

▪️読み返すたびに変わる景色「同じ作品なのに新しい」

現在の『HUNTER×HUNTER』では、巨大船「ブラックホエール号」を舞台に、カキン帝国の王位継承戦を軸として、幻影旅団、マフィアなど複数の勢力が同時に動いている。

登場人物が多いだけではない。それぞれが異なる目的や思惑を抱え、同じ出来事を見ても立場によって意味が変わる。

一度読んだだけでは見落としていた人物の表情や言葉、何気ない会話が、後から読み返すことで別の意味を持って見えてくることもある。

だからこそ、休載期間は単に「次の話を待つ期間」ではない。

これまでの話を最初から読み直し、「この人物はなぜ、あの場面でこの行動を取ったのか」「あの言葉には別の意図があったのではないか」と考える時間にもなる。

物語が先へ進まないからこそ、読者自身が過去のエピソードを掘り下げ、登場人物たちの関係性を改めて整理できる。

同じページを読み返しているはずなのに、以前とは違うところに目が留まる――。

こうした「再読することで新しい作品の表情が見えてくる」ことも、『HUNTER×HUNTER』の大きな魅力の一つといえる。

 

▪️複雑な人間模様が読者自身に「人間」を考えさせる

特に王位継承戦を中心とした現在の展開では、単純な善悪だけでは説明できない人物たちの思惑が交錯している。

誰かにとっての正義が、別の人物にとっては脅威になる。

協力関係に見えていた人物同士が、状況によっては対立する可能性もある。

そこには、それぞれの能力だけでなく、判断力、観察力、心理、駆け引き、そして「人はどこまで相手を理解できるのか」というテーマまで浮かび上がる。

登場人物の能力を考察することは、そのまま「人間にはどのような能力があり、それをどう使うのか」を考えることにもつながっていく。

だからこそ、最新話だけを追うのではなく、過去のエピソードを振り返ることで、人物同士の関係や物語の構造がより立体的に見えてくる。

複雑な人間模様を読み解きながら、自分自身ならどう判断するのかを考えてみる。

そんな楽しみ方ができることも、長年にわたって『HUNTER×HUNTER』が読者を引きつけ続ける理由だろう。

 

▪️最新420話ではヒソカがまさかの「沼」に

そして今回の最新第420話では、人気キャラクターのヒソカが登場。

ビールを片手に、福本伸行さんの『賭博破戒録カイジ』に登場するパチンコ台「沼」で遊ぶという、意外性のある場面が描かれている。

ヒソカらしい独特の存在感に加え、思わぬ形で「沼」が登場したことも話題を呼びそうだ。

シリアスな心理戦や複雑な駆け引きが続く物語の中に、こうしたユーモラスな要素が入り込むのも作品の面白さ。

読み返してみることで、ストーリーの本筋だけではなく、人物の仕草や台詞、細かな演出にも目が向くようになる。

 

▪️冨樫義博さんは第427話までの原稿完成を報告

連続掲載が終了する一方、冨樫さんは自身のXで制作状況を継続的に発信している。

9月1日には「No.427、原稿完成。」と投稿。今回掲載された第420話の先、第427話まで原稿が完成していることを明らかにしている。

第421話以降の具体的な掲載時期は決まっていないものの、作品制作そのものは進んでいる。

次の掲載を待つ間、読者ができることは少なくない。

これまでの物語を読み返し、人物の言葉を改めて考え、複雑に絡み合う人間関係を整理する。そして、以前は気づかなかった小さな描写に気づく。

「次の話が掲載されるまで、もう一度最初から読み直してみよう」

そんな楽しみ方ができるのも、『HUNTER×HUNTER』という作品の特別なところだ。

1998年の連載開始から28年。現在はコミックス39巻まで刊行され、シリーズ累計発行部数は電子版を含めて1億部を突破している。

次回掲載が決まるまでの時間もまた、作品を深く味わうための時間になる。

読み終えたはずの物語をもう一度開く。

そして、以前とは違う人物の表情や言葉に気づく。

『HUNTER×HUNTER』は、ページを閉じた後にも読者の想像力を刺激し続ける。

だからこそ、次の一話を待つ時間さえも、作品を楽しむ一部になっている。