パワーオブドリーム勢がまさかの連敗 黒川瑛斗&菊地海斗が下馬評覆す勝利、スーパー・バンタム級戦線に大きなインパクト【Krush.190】
【©️K-1】
7月25日、東京 後楽園ホールで開催された「Krush.190」。
大会終盤に組まれたスーパー・バンタム級のセミファイナルとメインイベントでは、今後の戦線を占う重要な2試合が行われたが、ともに下馬評を覆す結末となった。パワーオブドリーム所属の岩尾力選手、橋本楓汰選手が敗れ、菊地海斗選手と黒川瑛斗選手が存在感を大きくアピールした。
▪️菊地海斗、カウンター一閃で岩尾力を撃破
セミファイナルでは、約11カ月ぶりの復帰戦となる岩尾力選手と、バンタム級からスーパー・バンタム級へ階級を上げて初戦を迎えた菊地海斗選手が激突。岩尾選手の攻撃力を支持する声が多い中、菊地選手は「気持ちで勝つ」と強気の姿勢でリングへ上がった。
1ラウンドは互いにスピードのあるローキックを蹴り合いながら距離を探る静かな立ち上がり。岩尾選手はスイッチを織り交ぜ、鋭いワンツーで積極的にプレッシャーをかけるが、菊地選手は落ち着いたディフェンスで決定打を許さない。
試合が動いたのはラウンド中盤だった。岩尾選手の左ローに合わせるように、菊地選手が右ストレートをカウンターで打ち抜くと、この一撃が岩尾選手のアゴを正確に捉えダウンを奪取。大きな先制点を挙げ、試合の主導権を握った。
巻き返しを狙う岩尾選手は2ラウンド以降、圧力を強めながら前進。フェイントを交えて勝負を仕掛け、随所で力強いフックや右ストレートを繰り出したが、菊地選手は不用意な打ち合いを避け、コンパクトなパンチと巧みなポジショニングで応戦した。
最終3ラウンドは岩尾選手が逆転を狙って手数を増やし、終盤には右ストレートをヒットさせる場面もあった。しかし、菊地選手は最後まで冷静さを失わず、打ち合いの中でもカウンターを返しながら試合をコントロール。1ラウンドのダウンによるリードを守り切り、3者とも29-28の判定でスーパー・バンタム級初戦を勝利で飾った。
▪️黒川瑛斗選手 適正階級で復活 橋本楓汰の7連勝をストップ
メインイベントでは、6連勝中と勢いに乗るパワーオブドリーム所属の看板選手の1人 橋本楓汰選手と、元Krushバンタム級王者でスーパー・バンタム級へ転向初戦となる黒川瑛斗選手が対戦した。
立ち上がりは互いに距離を測りながら様子をうかがう展開となったが、黒川選手はローキックとジャブでリズムを作り、橋本選手もワンツーや左右のフックで応戦。静かな攻防が続く中、1ラウンド終了間際に試合が大きく動く。
黒川選手が放った左ストレートが橋本選手のアゴを正確に打ち抜き、鮮やかなダウンを奪取。橋本選手はすぐに立ち上がったものの、
この一撃が勝敗を左右する大きなポイントとなった。
2ラウンドに入ると橋本選手は前へ出てプレッシャーを強め、左右のフックで突破口を探る。しかし、黒川選手はジャブやカーフキックを効果的に使いながら距離を支配。階級アップによって減量の負担が軽減されたこともあり、本来のスピードとキレを取り戻した動きを披露し、ヒット&アウェーを繰り返して橋本選手に的を絞らせなかった。
最終ラウンドも橋本選手は逆転を狙って前進を続けたが、黒川選手は巧みなフットワークとディフェンスで対応。要所ではクリンチも交えながら試合を冷静にコントロールし、橋本選手に決定機を与えることなく試合終了のゴングを聞いた。
判定は黒川選手が勝利。
スーパー・バンタム級転向初戦で連敗を脱出するとともに、
新階級でも高いパフォーマンスを発揮できることを証明した。
試合後、黒川選手はマイクを握り、
「連敗して自分を信じられなくなった時期もあった。不安で押し潰されそうだったが、皆さんのおかげでここまで戻って来ることができた」とファンへ感謝。
そして、9月に開催されるK-1 WORLD GPスーパー・バンタム級タイトルマッチ、
金子晃大選手と璃明武選手の勝者との対戦を熱望し
新たな挑戦への意欲を力強く語った。
セミファイナル、メインイベントともに、序盤でダウンを奪った選手がその後の試合を巧みにコントロールする内容となった。菊地選手は階級アップ初戦で大きな白星を挙げ、黒川選手も適正階級で本来の実力を取り戻したことを印象づける復活劇を披露。パワーオブドリーム勢がまさかの連敗を喫する一方で、スーパー・バンタム級戦線には新たな主役候補が名乗りを上げる大会となった。
【文:高須基一朗】





