UFCが上海で攻勢を強化 ヌルマゴメドフvsソン実現 日本勢も参戦…アジア戦略の本気度が見えた

2026.7.8

世界最大の総合格闘技団体・UFCが、中国市場への本格的な投資をさらに加速させる。

UFCは7月8日、8月29日に中国・上海で開催する『UFCファイトナイト:ヌルマゴメドフ vs. ソン』のメインカードを正式発表した。メインイベントではバンタム級ランキング3位のウマル・ヌルマゴメドフと、同5位の中国の人気ファイター、ソン・ヤドンが対戦。タイトル挑戦権を大きく左右する注目カードとなる。

さらに大会前日の8月28日には、アジア各国の有望株がUFC本契約を懸けて争う『ROAD TO UFC シーズン5』準決勝も開催。日本からも複数選手が出場し、アジア全体を巻き込む大型イベントとなる。


 

▪️王者戦線を占う重要な一戦

メインイベントに登場するウマル・ヌルマゴメドフ(20勝1敗)は、元タイトル挑戦者として知られるバンタム級屈指の実力者。ダゲスタン仕込みのハイレベルなレスリングを軸に、デイヴソン・フィゲイレード選手やコーリー・サンドヘイゲン選手ら強豪を撃破し、現在も王座戦線の中心に位置している。

一方、開催国・中国の期待を背負うソン・ヤドン選手(23勝9敗1分)は、今年5月のマカオ大会で元王者デイヴソン・フィゲイレード選手から一本勝ちを収め、一気に評価を高めた。これまでヘンリー・セフード選手やマルロン・モラエス選手、チト・ヴェラ選手らとの激闘を経験してきた実績もあり、母国開催で悲願のタイトル挑戦へ大きく前進できるかが最大の焦点となる。

今回の勝者は、現バンタム級王座を巡る次期挑戦者争いに大きく近づく可能性が高く、世界中のファンが注目する一戦となりそうだ。

 

▪️中国女子MMAの先駆者も母国凱旋

セミメインイベントでは、中国女子MMAをけん引してきたヤン・シャオナン選手(19勝5敗)が、ブラジルのデニージ・ゴミス選手(12勝3敗)と対戦する。

ヤン選手は中国人女性として初めてUFCと契約したパイオニアであり、『UFC 300』では女子ストロー級王座にも挑戦したトップファイター。2018年以来となる中国での試合となり、地元ファンの大きな声援を背にランキング上位の維持を狙う。

対するゴミス選手は4連勝でランキング入りを果たした新鋭。ムエタイ仕込みの打撃を武器に、キャリア最大級の大一番へ臨む。

 

▪️日本勢にも大きなチャンス

日本のファンにとっても見逃せないカードが並ぶ。

フライ級では鶴屋怜選手(11勝1敗)が、ペルーのケヴィン・ボルハス選手と対戦。連勝を伸ばし、ランキング入りへ向けた重要な試合となる。

また、『ROAD TO UFC シーズン5』準決勝には福田万智選手、内田タケル選手、鈴木崇矢選手、田嶋椋選手ら日本勢4人が出場。UFCとの複数試合契約を懸けたサバイバルマッチに挑む。

近年、日本選手がUFC本戦へ進出する重要な登竜門となっている同大会だけに、日本格闘技界にとっても大きな意味を持つイベントとなる。

今回の大会は、上海市スポーツ局や浦東新区政府などの協力を受けて開催されるほか、中国の大手通信グループやスポーツ企業も運営に参画する。

UFCにとって上海大会は2年連続の開催となり、浦東新区でイベントを実施するのはチケットが完売した2017年以来となる。中国市場への継続的な投資姿勢を鮮明にするとともに、アジア地域におけるブランド価値向上を図る狙いも見て取れる。


【文:高須基一朗】