Krush193 = 第10試合メインカード 児玉兼慎選手が難敵 大岩龍矢選手との激闘を制して悲願のKrush王座獲得へ「間違いなく今が一番幸せ。やってやったぜ!」

2026.10.31

【©️K-1】

10月31日に東京・後楽園ホールで開催された「Krush.193」のメインイベントで、Krushライト級タイトルマッチが行われ、挑戦者の児玉兼慎選手(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)が王者・大岩龍矢選手(team VASILEUS)を判定3-0で破り、念願のKrush王座を手にした。

両者の意地がぶつかり合った一戦は、3ラウンドを通じて激しい攻防が続く好勝負となった。大岩選手は2度目の防衛に失敗。対する児玉選手は、これまで積み重ねてきた経験と実力をリング上で示し、ついにタイトル獲得という目標を実現した。

 


▪️王者・大岩龍矢選手、再起を懸けた防衛戦


大岩選手は2024年7月、伊藤健人選手を破ってKrushライト級王座を獲得。その後、自らの働きかけによって実現したKrush名古屋大会ではトーマス・アギーレ選手に延長判定で敗れたものの、昨年7月のK-1では西本竜也選手、同年11月には元Krushスーパー・ライト級王者の篠原悠人選手を下し、初防衛に成功した。

その勢いに乗ってK-1王座への挑戦を目指していたが、今年5月の「K-1 REVENGE」では永澤サムエル聖光選手に判定負け。今回は再起を懸けた重要な一戦だった。

その永澤選手が9月の代々木大会でK-1王座を獲得していたこともあり、大岩選手にとっては改めて存在感を示したい防衛戦。しかし、最後まで譲らない挑戦者の攻撃に苦しみ、王座を明け渡す結果となった。

 


▪️児玉兼慎選手、幾度の試練を乗り越えてつかんだ栄冠


一方の児玉選手は、Krushを中心にキャリアを重ね、瓦田脩二選手や伊藤健人選手といった元王者から勝利を収めるなど、ライト級の上位戦線で実力を示してきた。

しかし、昨年2月のライト級ワンデートーナメントでは初戦敗退。大きなチャンスをつかみ切れない時期も経験した。

それでも昨年4月には、将来を期待される上野空大選手をKOで撃破。さらに9月には、試合の3日前に網膜剥離が判明するという厳しい状況に直面しながらも、元KNOCK OUT王者の大谷翔司選手と対戦。左目がほとんど見えない状態で最後まで戦い抜き、判定で勝利を収めた。

負傷からの回復などもあり、大岩選手とのタイトル戦はなかなか実現しなかったが、

今年5月にはRIZINにも初参戦。

MMAルールでジョリー選手と対戦したものの、1ラウンドに一本負けを喫していた。

そうした経験を経て迎えた今回のタイトル挑戦。

児玉選手にとっては悔しさを晴らす大きな機会となった。

 


▪️3ラウンドにわたる真っ向勝負、児玉選手が攻勢を維持


第1ラウンドは、ともにオーソドックスの構えからスタート。児玉選手は左ジャブを軸にパンチを組み立て、右ハイキックやミドルキックも織り交ぜて攻撃を仕掛けた。

対する大岩選手は、右ストレートや右フック、ボディーへの攻撃で応戦。強烈なパンチをガード越しに叩き込むなど、王者らしい圧力を見せた。児玉選手も手数を落とさず、互いに攻撃を返す緊張感のある展開が続いた。

第2ラウンドに入ると、児玉選手がカーフキックを効果的に使い始める。前足、奥足へと蹴り分け、大岩選手のバランスを崩す場面もあった。

大岩選手も右ストレートやボディーへのパンチ、ミドルキックで反撃。飛びヒザ蹴りを繰り出すなど積極的に攻めたが、児玉選手はステップを使って攻撃をかわしながら、右カーフキックやパンチの連係で応戦した。

ラウンド後半も両者の攻防は激しさを増し、互いに一歩も引かない打ち合いとなった。

最終第3ラウンドも、両者は開始から積極的に前へ出た。児玉選手はジャブから右ストレート、アッパー、左右のフックを織り交ぜて攻撃。大岩選手もミドルキックやヒザ蹴り、強烈なパンチで応じ、王者としての意地を見せる。

中盤以降はカーフキックの応酬も目立ち、接近戦では互いにパンチを打ち合う展開に。大岩選手が前進して攻撃を重ねる場面もあったが、児玉選手も最後まで手を止めず、右ストレートやワンツーで応戦した。

一進一退の攻防が続く中、3ラウンドを戦い切って試合終了。判定は29-30、28-29、28-30の3者とも児玉選手を支持する結果となり、明確な優位性を印相付けて児玉選手の勝利が告げられた。

 


▪️「間違いなく今が一番幸せ」歓喜のマイクで感謝


勝利がコールされると、児玉選手はついにKrushのベルトを獲得。対照的に、大岩選手は判定結果に納得がいかない様子を見せながらリングを後にした。

試合後のマイクでは、児玉選手が「チャンピオンになりました。ありがとうございます。本当に感謝する人が多くて」と喜びを語った。

続けて、大宮司トレーナーをはじめ、日頃から支えてくれたチームメイトやファン、応援団の名前を挙げながら、一人ひとりに感謝を伝えた。

そして、最後には自身の思いを率直な言葉で表現した。

「24年くらいしか生きてないですけれど、間違いなく今が一番幸せです。良かったです。長くなるのは嫌なので最後に応援してくださったファンの皆さんにひと言。やってやったぜ! ありがとうございました」

これまでの苦労や悔しさを供に知るファン・応援団は会場で歓喜し

印象深い王座獲得となった。


【文:高須基一朗 瞬刊モッツ 編集部 】