10人のイングランドが“難攻不落”アステカ攻略 ベリンガム2発&ケイン弾で開催国メキシコとの激闘制し8強進出
【©️FIFA】
FIFAワールドカップ北中米大会・決勝トーナメント2回戦でイングランド代表が開催国メキシコ代表との壮絶な撃ち合いを3―2で制し、ベスト8進出を決めた。
後半序盤に退場者を出して10人での戦いを強いられながらも、ジュード・ベリンガムの2ゴールとハリー・ケインのPKによる一撃で逃げ切り、“難攻不落”と称されるアステカ・スタジアム攻略という歴史的な勝利を収めた。
悪天候の影響で約1時間遅れて始まった一戦は、ホームの大声援を受けるメキシコが序盤から主導権を握る。前半15分にはラウール・ヒメネスがダイビングヘッドでゴールを狙ったが、イングランド守護神ジョーダン・ピックフォードが好反応で立ちはだかった。
劣勢を耐え抜いたイングランドは、ワンチャンスを確実に仕留める勝負強さを発揮する。
36分、ブカヨ・サカの正確なクロスにベリンガムが飛び込み、豪快なヘディングで均衡を破ると、そのわずか2分後にはショートカウンターから再びベリンガムが抜け出し、ケインとのワンツーで相手守備陣を崩してさらに追加点。
世界屈指の若き司令塔が圧巻の2ゴールで試合を大きく動かした。
しかし、ここまで今大会無失点を続けていたメキシコも簡単には崩れない。
前半終了間際、フリアン・キニョネスが直接FKを鮮やかに沈め、
1点差に詰め寄って前半を折り返した。
後半開始直後にはイングランドがニコ・オライリーのボレーで追加点に迫ったが、シュートはポストを直撃。そして試合の流れを大きく変える出来事が起きる。54分、ジェレル・クアンサーのタックルがVARによる確認の末に一発退場となり、イングランドは数的不利を背負う展開となった。
それでも欧州の強豪は冷静に対応。
守備を立て直すためジョン・ストーンズを投入すると、60分にはピックフォードのロングフィードからケインが競り勝ち、アンソニー・ゴードンがPKを獲得。
このPKをケイン自ら落ち着いて決め、貴重な3点目を奪った。
試合は波乱含みだった。
65分過ぎには今度はケインが自陣ペナルティーエリア内で相手を倒し、メキシコにPKを献上。ヒメネスがこれを決め、再び1点差となる。
終盤は完全にメキシコペース。
イングランドはジェド・スペンス、ダン・バーンを投入して5バックへ移行し守備を固める。アディショナルタイムは11分に及び、メキシコはクロスを次々と送り込んで猛攻を仕掛けたが、イングランド守備陣は体を張った対応を続け、最後までゴールを割らせなかった。
試合終了の笛とともに、イングランドは3―2で激闘を制しベスト8進出を決定。
勝利以上に価値があったのは、その舞台だ。
標高約2240メートルに位置するアステカ・スタジアムは、メキシコ代表が通算89試合で70勝17分2敗という驚異的な成績を残し、2013年9月以降は22試合連続無敗記録を継続してきた“要塞”として知られる。その歴史に終止符を打ったイングランド代表は、数的不利を乗り越えた精神力と勝負強さを示し、優勝候補として世界へ強く印象付けた。


