井上尚弥のラスベガス戦リングサイドチケットが平均して50万円超の理由とは?
井上尚弥のラスベガス戦、リングサイドチケットが平均して50万円超の理由とは?
ボクシング界の”モンスター”こと井上尚弥が、2024年5月4日に米ネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナでWBA世界スーパーバンタム級2位のラモン・カルデナスと防衛戦を行う。この一戦は大きな話題を呼び、チケット価格も高騰している。
特にリングサイドのチケットは平均して50万円を超える価格で取引され、
最高額はプレミアムシートで5,250ドル(約78万円)に設定。
3月25日現在、リングサイドのチケットは約80%が売れており、
残りのシートも前から4列目ですら4,650ドル(約70万円)と高額だ。
(前から3列目まではすべて完売)
一方、一般席の最安値は156ドル(約2万3千円)となっている。
東京ドームで開催されたネリ戦のリングサイド席が
最高で22万円だったことを考えると、その価格の高騰ぶりは驚異的だ。
▪️ラスベガスがもたらすプレミアム価格
井上尚弥の試合がここまで高額になる要因の一つは、開催地がラスベガスであることだ。ラスベガスは世界的なエンターテインメントの中心地であり、ボクシングの聖地でもある。Tモバイル・アリーナは約2万人を収容でき、多くのボクシングファンやセレブ、ハリウッドスターが集まる。
井上にとっては2021年6月以来、3度目のラスベガスでの試合となるが、今回はキャリア最大級の規模だ。ラスベガスで試合を行うこと自体がブランド価値を高め、チケット価格を押し上げる要因となっている。
▪️世界的スター選手としての井上尚弥の価値
もう一つの理由は、井上尚弥自身の人気と実力だ。
戦績29勝(26KO)無敗という圧倒的なパフォーマンスは、世界中のボクシングファンを魅了し続けている。特に今回の試合でKO勝利すれば、元世界ヘビー級王者ジョー・ルイスの記録を超える世界戦23KOという歴史的快挙を達成する可能性がある。
また、プロモーターのトップランク社も公式SNSで「モンスターが米国を占領する」と称し、積極的なプロモーションを展開。米国市場でも井上の人気が急上昇しており、チケット需要をさらに高めている。
▪️高額でも売れる理由――VIP層と投資目的の購入
高額なチケットにもかかわらず、リングサイド席は,
たった半月足らずで・・・人気の売れ行き。
その背景には、セレブや富裕層の存在がある。
彼らにとって50万円のチケットは
エンターテインメントの一環であり、手が届く範囲だ。
さらに、近年ではチケットが投資商品として扱われるケースも増えている。
転売市場ではさらに高額で取引されることも珍しくなく、
プレミアチケットとしての価値が確立されている。
▪️井上尚弥の未来とさらなる市場価値の向上
井上の今後の計画には、9月のムロジョン・アフマダリエフ戦(日本)、
年末のサウジアラビアでのニック・ボール戦、
さらには来年の春には中谷潤人戦が浮上している。
これらの試合が実現すれば、井上の市場価値はさらに上昇し、
チケット価格も一層高騰する可能性があり、
1万ドルの王台も現実味を帯びている。
ボクシング界の”モンスター”が世界を席巻する中、
今回のラスベガス戦はその象徴的な一戦となるだろう。
【文:高須基一朗/text by motoichiro takasu】