GLORY107=「階級の壁」を越えた衝撃! クワジが絶対王者撃破で2階級同時制覇、キック界の序列を書き換える一夜に
2026.4.27
キックボクシングにおいて「階級」は絶対的な境界線とされてきた。
その常識を覆す出来事が、2026年4月にオランダ・ロッテルダムで開催された『GLORY 107』で起きた。ウェルター級王者チコ・クワジが一階級上の絶対王者ドノバン・ウィッセを破り、歴史的快挙を成し遂げたのである。
メインイベントで歴史を塗り替えたのは、GLORY世界ウェルター級王者チコ・クワジ(オランダ)だ。彼が挑んだのは、パウンド・フォー・パウンド最強の一角と称され、ミドル級で6度の防衛を誇る絶対王者ドノバン・ウィッセ(スリナム)。一階級上の支配者に対する挑戦は、常識的には“無謀”と紙一重の試みでもあった。
だが、その構図は試合が進むにつれて崩れていく。クワジは持ち前のスピードと踏み込みの鋭さで主導権を握り、要所で的確に打撃を差し込む。ウィッセも王者の意地を見せ、試合は最終ラウンドまでもつれる接戦となったが、判定はクワジに軍配。内容・結果ともに説得力のある勝利だった。
この瞬間、28歳のクワジはアレックス・ペレイラに続き、GLORY史上わずか2人目となる“同時2階級制覇”を達成。単なるタイトル奪取にとどまらず、
競技の序列そのものに揺さぶりをかける一勝となった。
興味深いのは、この勝利が単発の番狂わせではなく、構造的な変化の兆しとして映る点だ。従来、階級差はフィジカルの優位性として語られてきたが、近年はスピード、戦術理解、そして試合運びの精度がそれを相殺しつつある。クワジの戦いは、その潮流を象徴するものと言えるだろう。



