RISEメインイベント 極限の技術戦を制した大﨑孔稀選手が志朗選手を撃破で世界奪取 兄弟同時戴冠の快挙、次はラジャへ照準

2026.3.29

【©️RISE】

3月28日、東京・両国国技館で行われた「RISE エルドラド2026」。そのメインイベントは、今大会のハイレベルぶりを象徴するにふさわしい“技術戦の応酬”だった。

RISE世界バンタム級(-55キロ)王座戦で、挑戦者の大﨑孔稀選手(OISHI GYM)が王者・志朗選手(BeWLLキックボクシングジム)を判定3-0で下し、悲願の世界王座を奪取。延長判定で敗れた前回対戦から約3年半、進化を遂げた姿で完全決着をつけた。


この一戦は、単なる勝敗を超えた“読み合い”と“精度”が交錯する高度な攻防だった。

距離の支配、フェイントの応酬、そして一瞬の隙を逃さない打撃の差し込み。

互いの引き出しを削り合う展開の中で、主導権を握り続けたのは大﨑孔だった。

試合の流れを大きく動かしたのは3回。

2回に奪ったダウンが取り消されるアクシデントにも動じることなく、冷静さを保ったまま迎えたラウンドで、鋭い左フックを志朗選手の側頭部に突き刺し、文句なしのダウンを奪取。ここで勝負の天秤を大きく引き寄せた。

以降も圧力を緩めることなく、的確な有効打を積み重ねていく。

派手さに頼らず、技術と精度で上回るその戦いぶりは、今大会全体のレベルの高さを象徴するものだった。結果はフルマークに近い判定決着。内容、結果ともに文句なしの戴冠劇となった。

この勝利により、大﨑選手は兄でありRISE世界スーパーフライ級王者の大﨑一貴選手とともに、RISE史上初の兄弟世界王者という快挙を達成。

試合後、「追いかけてきた存在を越えるためにやってきた」と語った言葉どおり、長年のテーマに一つの答えを示した。

だが、その視線はすでに次の頂へ向けられている。

マイクを握った大﨑選手は、兄が届かなかったRWS(ラジャダムナン・ワールドシリーズ)のベルト獲得を宣言。ムエタイ最高峰の一つであるラジャダムナンスタジアム認定王者クンスックノーイへの挑戦を熱望した。

「常に兄が先にいて、自分が追いかける構図が続いている。そろそろ僕が先に行きたい」

静かだが強い決意。その言葉には、世界を制した者だけが見据える次なる戦場への覚悟がにじんでいた。