AJ・マッキー選手が無敗の新鋭に格の違いを見せつける フェザー級王座奪還へ前進、PFL勢力図にも変化の兆し
元王者が”試練の一戦”を完勝。
フェザー級戦線は新たな局面へ
【©️ PFL】
PFLフェザー級戦線で、かつて王者として君臨したAJ・マッキー選手が、
その実力を改めて世界へ示した。
6月27日(日本時間28日)、米カリフォルニア州サンディエゴで開催された『PFL San Diego: McKee vs. Isbulaev』。メインイベントでマッキー選手は、プロ10戦全勝・フィニッシュ率100%という驚異的な戦績を誇るカザフスタンの新鋭サラマット・イスブラエフ選手と対戦し、3-0(30-27×3)のフルマーク判定勝ち。
グラウンドで圧倒的な支配力を見せつけ、無敗の有望株にキャリア初黒星を刻んだ。
この勝利は単なる白星ではない。
フェザー級タイトル戦線の勢力図を塗り替える大きな意味を持つ一戦となった。
▪️無敗の怪物候補を経験で封じ込めた王者の完成度
イスブラエフ選手は、コンバットサンボを武器に欧州・世界レベルのアマチュア実績を積み重ね、プロ転向後は10戦全勝。6KO・4一本勝ちと全試合フィニッシュという圧倒的な戦績を残し、今年2月には元PFL王者ヘスス・ピネド選手を1ラウンドTKOで下すなど、
一気に世界の注目を集めていた。
一方のマッキー選手は、Bellator世界王者として長年トップ戦線を歩み続けてきた実力者。経験値では大きく勝るものの、31歳を迎えた現在、その総合力がどこまで維持されているかも注目されていた。
試合は、その答えを明確に示す内容となった。
▪️打撃、組み、寝技―すべてで上回ったマッキー選手
序盤から互いにハイレベルな攻防を展開。
イスブラエフ選手は強烈な左右の打撃と回転系の蹴りで前進するが、マッキー選手は冷静に距離を管理しながらテイクダウンを織り交ぜ、試合の流れを支配していく。
特に光ったのはスクランブル局面での対応力だった。
テイクダウンを奪われても即座に体勢を入れ替え、バックポジションを奪取。第2ラウンドには長時間バックコントロールを続け、リアネイキッドチョークを狙いながらパウンドとヒジ打ちを浴びせるなど、グラウンドでは終始優位を維持した。
最終ラウンドでも再びテイクダウンを成功させると、肩固めからマウントポジションへ移行。逃げ場を失ったイスブラエフ選手にヒジとパウンドを連打し、あと一歩でレフェリーストップという場面まで追い込んだ。
判定決着ではあったものの、その内容は限りなくフィニッシュに近い完勝だった。
▪️フェザー級タイトル争いがさらに加熱
今回の勝利によって、マッキー選手はフェザー級王座挑戦へ大きく前進した。
現在、同級ではランキング1位のティムール・ヒズリエフ選手がタイトル挑戦候補とされる一方、RIZINとの対抗戦でも名前が挙がるアクバル・シェイドゥラエフ選手の動向も注目されている。
ヒズリエフ選手は昨年の銃撃事件から復帰を目指しており、シェイドゥラエフ選手も今後の契約状況次第では世界戦線へ本格参入する可能性がある。
その中で元王者マッキー選手が存在感を示したことは、PFLフェザー級のタイトルロードを一層複雑かつ魅力的なものにしたと言える。
試合後、マッキー選手はイスブラエフ選手への敬意を示しながらも、自らの目標を力強く宣言した。
「正直、彼を少し甘く見ていた。でも彼は本物だった。それでも自分は仕事をやり遂げた。145ポンドに戻ってきた理由はただ一つ。フェザー級のベルトを取り戻すためだ」
さらに、フェザー級でタイトル戦が組まれない場合はライト級でも世界最強を証明し続ける考えも明かした。
【文:高須基一朗】



