UFCフライ級 正規王者ジョシュア・ヴァンがパントージャとの5R死闘を制して王座防衛「誰が勝てる?」ネット騒然…格闘技ファンもざわつく
現地時間9月19日、米ロサンゼルスのCrypto.com Arenaで開催された「UFC 331」。メインイベントでは、フライ級王者ジョシュア・ヴァン選手と元王者アレシャンドレ・パントージャ選手が再戦し、ヴァン選手が5Rを戦い抜いて判定勝利。フライ級王座の2度目の防衛を果たした。
一方で、試合内容をめぐってはラウンドごとの評価が分かれ、ネット上では「50-45は厳しいのではないか」といった採点に関する声も相次いだ。
実際、専門メディアの速報でも、パントージャ選手が序盤からテイクダウンを狙い、ヴァン選手が打撃とディフェンスで対応しながら試合の流れを変えていったことが伝えられている。
▪️序盤はパントージャが組みの展開へ
試合開始直後からパントージャ選手は前に出た。
得意とするグラップリングを生かしてテイクダウンを仕掛け、ヴァン選手をケージ際やグラウンドへ持ち込む優位な場面を作る。
しかし、ヴァン選手は倒された場面でもそのままコントロールを許さない。
立ち上がりを作り、再びスタンドへ戻すと、
コンパクトなパンチを中心とした打撃戦へ持ち込んでいった。
ここが試合の大きなポイントになった。
▪️ヴァンの打撃が徐々に試合を動かす
スタンドに戻ると、ヴァン選手のボクシング技術が際立ち始める。
無理に大振りするのではなく、距離を保ちながらパンチを当て、パントージャ選手が組みに入ろうとするタイミングにも対応。
ヴァン選手の打撃、カウンター、
テイクダウンディフェンスが試合後半の流れを左右したんは明らかだ。
パントージャ選手も、最後まで得意とするグラウンドでのコントロールを諦めなかった。
テイクダウンからポジションを作り、ヴァン選手を削ろうとする場面を何度も作ったが、フィニッシュには至らなかったことと、ここで削る作業ができず、、むしろグラウンドで体力を使ってしまう後手に回ることに。
現代の総合格闘技において、
テイクダウンだけではポイントにならないことを象徴する試合だったのも要素の一つだろう。
ヴァンのテイクダウンディフェンスとエスケープが強かった点は圧巻だった。
日本のRIZINもUFCも同等レベルで打撃系ストライカー選手たちが、寝技の攻防から立ち上がるチカラ、火力の使い方について一定の評価があるのは明らかな現代の総合格闘技の評価ポイントだ。
そして5Rの最終ラウンドで決定的なシーンが訪れる。
ヴァン選手が強烈な右を当て、
パントージャ選手をよろけて尻餅をついてダウンさせる場面も生まれた。
最終ラウンドまで体力を残し、さらに強い強打を維持したことが凄まじいポテンシャルを物語った。
パントージャ選手も最後まで反撃を続けたが、
試合はフィニッシュには至らず、5R終了のゴング。
勝敗はジャッジに委ねられた。
▪️49-46、49-47、50-45 採点は大きく割れる
そして発表された判定は、ヴァン選手のユナニマス判定勝ち。
49-46、49-47、50-45。
3人のジャッジ全員がヴァン選手を勝者とした一方、ラウンドごとの評価には幅があった。
この採点結果は試合後、SNSでも大きな話題に。
特に50-45については、パントージャ選手のテイクダウンやグラウンドでのコントロールをどう評価するかをめぐり、ファンの意見が大きく分かれ、ネット上は格闘技ファンも
これに大きな盛り上がりを見せている。
一方で、ヴァン選手が単純に「倒されても立つ」だけではなく、スタンドへ戻った後に再び打撃で主導権を取り返していたことも、この試合を読み解くうえで重要になる。
UFC公式の結果でも、ヴァン選手の勝利は明確に記録されている。
▪️「ラッキーチャンピオンではない」24歳王者に広がる評価
今回の勝利で、ヴァン選手はフライ級王者としての存在価値をさらに高めた。
ヴァン選手は昨年12月のUFC 323でパントージャ選手の負傷によって王座を獲得。その後、UFC 328では平良達郎選手を5R TKOで下して初防衛に成功。
今回のパントージャ戦が2度目の防衛戦。
つまり今回の再戦は、単なるタイトル防衛戦ではなかった。
前回はパントージャ選手の負傷によって短時間で試合が終わったため、
両者が万全の状態で5Rを戦えばどうなるのか。
その答え合わせとなる試合とも言い切れる。
そしてヴァン選手は、パントージャ選手のグラップリングを受けながらも試合を最後までコントロールし、打撃でも大きなダメージを与え完勝だった。
前回のタイトル戦でパントージャ選手の負傷決着だけでは測れなかったヴァン選手の実力が本物であることは確かだ。
▪️日本のフライ級戦線にも影響する王者の存在
そして日本のファンにとって気になるのが、ヴァン選手と日本人フライ級勢と現状の力量に査定だ。
SNSでは、平良達郎選手や鶴屋怜選手、さらに過去にUFCで戦った朝倉海選手らの名前とともに評価対象の選手としてヴァン選手の強さを語る投稿も見られた。
ただ、現時点でヴァン選手と日本人選手との次戦が決定したわけではない。
今回の試合で明確になったのは、ヴァン選手が
「打撃だけのストライカー」ではないということだ。
テイクダウンを受けても対応し、グラウンドから立ち上がり、
再び自分の距離に戻す。
そこからパンチでダメージを蓄積させる。
この総合力こそが、今回の防衛戦で強く印象に残った部分だった。
ヴァン選手が2度目の防衛を終えたばかりにも関わらず、
すでに次の挑戦者をめぐるフライ級タイトル戦へ
マネル・ケイプ選手の名前を挙げる声も出ている。
今後、UFCが誰を次期挑戦者として指名するのか。
24歳の王者が、さらに防衛回数を伸ばしていくのか。
【文:高須基一朗】


