鈴木彩艶選手がトッテナム戦で圧巻の存在感 好セーブ連発&超ロングキックで追加点の起点に エメリ監督「我々を救ってくれるGK」

2026.9.20

 

アストン・ヴィラの日本代表GK鈴木彩艶選手が、プレミアリーグ第5節のトッテナム戦で攻守にわたって存在感を発揮した。

現地時間9月19日にトッテナム・ホットスパー・スタジアムで行われた一戦で、アストン・ヴィラは3-2で勝利。開幕から4試合を終えて未勝利だったチームに、今季リーグ戦初白星をもたらした。

その勝利の陰で大きな役割を果たしたのが、ゴールマウスに立った鈴木選手だった。


 

▪️前半から立て続けのピンチを阻止

試合序盤、トッテナムの攻撃を受ける時間が続いたヴィラだったが、鈴木選手が立て続けに決定機を阻止した。

前半には至近距離からのシュートに素早く反応すると、こぼれ球への二次攻撃にも対応。さらにアーチー・グレイ選手のシュートを足で防ぐなど、ゴール前で鋭い反応を見せた。

前半21分までに4セーブを記録したと報じられており、トッテナムに押し込まれる時間帯でヴィラのゴールを守り続けた。最終的に鈴木選手は5セーブを記録している。

ヴィラは前半アディショナルタイムに先制。後半にはニコラス・ジャクソン選手、エミリアーノ・ブエンディア選手が追加点を挙げ、3-0とリードを広げた。

 

▪️2点目は鈴木選手の正確なロングキックから

この試合で注目を集めたのは、鈴木選手の守備だけではない。

後半67分、鈴木選手が自陣から前線へ送ったロングボールが攻撃の起点となった。

前線でボールを受けたジャクソン選手が攻撃を展開し、最終的にヴィラが追加点を奪取。鈴木選手のキックが一気に敵陣深くまでボールを運び、ゴールにつながる攻撃を生み出した。

ゴールキーパーが最後方から攻撃の起点になる――。

現代サッカーでは珍しくない形だが、エメリ監督が鈴木選手の獲得時から評価していた能力が、プレミアリーグの舞台で結果につながった格好だ。

 

▪️エメリ監督「我々を救ってくれるキーパー」

試合後、エメリ監督は鈴木選手について、その役割を明確に説明した。

指揮官は、鈴木選手についてゴールを守る能力に加え、プレーによって攻撃を組み立てる技術を持っていると評価。さらに、相手から強いプレッシャーを受けた際にロングパスを選択できることも大きな武器として挙げた。

エメリ監督は、鈴木選手のロングパスによって「我々が決めた2点目のゴールもそうだった」と説明している。

つまり、鈴木選手に期待されているのは、単純にシュートを止めるだけのGKではない。

相手のプレッシャーを受けた際に最後方から状況を判断し、短いパスでつなぐのか、前線へ一気にボールを送り込むのか。その判断まで含めて、ヴィラの攻撃構築に関わることが求められている。

 

▪️「すぐに馴染んだ」エメリ監督が評価する適応力

鈴木選手は今夏、パルマからアストン・ヴィラへ加入。

エメリ監督はトッテナム戦の前日会見でも、鈴木選手のチームへの適応について高く評価していた。

指揮官は、後方からのビルドアップや、相手の背後へボールを届ける鈴木選手のキック力について、チームの戦術を素早く理解していると説明。さらに、チームに「大きな安心感」を与えているとの評価も示していた。

そして、その評価を裏付けるようなパフォーマンスを披露したのが今回のトッテナム戦だった。

守備では5セーブ。

攻撃ではロングキックから追加点の起点に。

GKとしての本来の役割と、現代的なビルドアップ能力の両方を試合の中で示した。

 

▪️3-0から2失点、それでも逃げ切ったヴィラ

ヴィラは3-0とリードした後、終盤に2失点。

後半86分に1点を返され、さらにアディショナルタイムにも失点する展開となった。

それでも最後までリードを守り切り、3-2で勝利。ヴィラにとっては今季プレミアリーグ5試合目での初白星となった。

なお、試合中にはトッテナムのゴールがVARによって取り消される場面もあった。プレミアリーグ公式の説明によれば、前半からヴィラのゴールを脅かしていたトッテナムの攻撃で、59分の得点はその前段階でオフサイドがあったとして取り消されている。

 

▪️鈴木彩艶がプレミアで示した「守る+つなぐ」

トッテナム戦で鈴木選手が見せたのは、単なる好セーブの連続だけではなかった。

押し込まれる時間帯には最後尾からシュートを防ぎ、相手の圧力が強まれば長いボールで局面を変える。

エメリ監督が求めるGK像を、実際の試合で形にした90分だった。

加入直後から高い適応力を評価されてきた鈴木選手にとって、今回の勝利はチーム内での存在感をさらに高める一戦となった。