ONE Friday Fights 168=「モデル×格闘家」田中勇利選手が最終Rに逆転ダウン奪いONE初勝利

2026.8.28

 

©️ONE Championship】

モデルと格闘家。

異なる世界で存在感を放つ田中勇利選手が、

世界最大級の格闘技団体「ONE」の舞台で強烈なインパクトを残した。

 

8月28日にタイ・バンコクのルンピニースタジアムで開催された「ONE Friday Fights 168」で、田中勇利選手(極真会館千葉田中道場/Team J.S.A)がONE初参戦。

中国の剛腕ファイターのジャオ・チョンヤン選手と対戦し、

3Rに鮮やかな逆転ダウンを奪う激闘の末、判定3-0で勝利を収めた。


 

人気ファッション誌『men’s egg』の専属モデルとしても活動し、

表紙を飾るなど華やかな世界で活躍する一方、

リングではフルコンタクト空手をルーツとする本格派ファイター。

異色の経歴を持つ田中選手が、世界の強豪が集うONEの舞台で見せたのは、

最後まで勝利を諦めない強い精神力だった。

 

■モデルから世界のリングへ 田中勇利選手の異色キャリア

田中選手はロシアとのハーフというバックグラウンドを持ち、

これまでフルコンタクト空手を中心に数々の実績を積み上げてきた。

全日本フルコンタクト空手道連盟(JFKO)の「第2回国際フルコンタクト空手道選手権大会」で3位に入賞。さらにIBKO第2回ワールドカップ空手道選手権では、組手・一般男子軽量級(68kg未満)で優勝するなど、空手界で確かな実績を残している。

2024年4月にはキックボクシングにも進出。

『KROSS×OVER』を主戦場としてキャリアを積み、

2026年4月には「KROSS×OVER PRO-KICK SUPERLIGHT WEIGHT(-65kg)FIGHT 第2代王座決定戦」で左ミドルキックによるTKO勝ちを収め、王座を獲得した。

デビューから5戦全勝。

しかも全試合で初回KO勝ちという圧倒的な戦績を誇る。

そして今回、ついに世界の舞台へ。

8月に予定されていた「ONE SAMURAI 2」では

スアレック選手との対戦が決まっていたものの、

不測の事態によって試合が中止に。

今回のONE初参戦は、田中選手にとって待望の世界デビュー戦となった。


 

■強豪チョンヤン選手を相手に壮絶な打ち合い

対戦相手のチョンヤン選手は、中国を代表する実力派ファイター。

これまで42勝(23KO)18敗という戦績を積み上げ、武林風世界60kg級トーナメント準優勝、ENFUSION世界60kg級王座獲得など、国際舞台でも豊富な経験を持つ。

ONE Friday Fightsでも勝利を挙げている強豪だけに、田中選手にとって簡単な試合ではなかった。

1Rから両者は激しく攻撃を交換。

サウスポーの田中選手は左ストレートや左三日月蹴り、左ローで攻め込む。一方のチョンヤン選手も強烈な左右のパンチとボディ攻撃で応戦した。

田中選手が長いワンツーを当て、ロープ際へ追い込む場面もあったものの、

1Rはチョンヤン選手の強打が目立つ展開となった。

 

■2Rには大量流血、それでも前へ

2Rに入っても激しい攻防は続く。

チョンヤン選手の右ローに対して田中選手がワンツーを返し、さらに右カーフなどで対抗。しかし、チョンヤン選手は左右のフックを連続して打ち込み、田中選手を追い込んでいく。

飛びヒザ蹴りの攻防では、田中選手が左目上から大量に出血するアクシデントも発生。

それでも田中選手は左ストレート、右フックなどで反撃を続けた。

チョンヤン選手の右ストレートを受けて体勢を崩される場面もあったが、田中選手は前進を止めない。

モデルとして華やかな舞台に立つ男が、この瞬間ばかりは血に染まりながら拳を振るい続けた。

 

■運命の3R、田中選手が逆転のダウン!

そして迎えた最終3R。

チョンヤン選手が左右のボディからフックを繰り出す中、田中選手は一気に距離を詰める。

コーナーへ追い込んだところで、田中選手の左ストレートがクリーンヒット。

チョンヤン選手が倒れ、田中選手がついにダウンを奪った。

ここから試合は一気にヒートアップ。

田中選手は左フックを続けて打ち込み、さらに左ストレート、右フックを浴びせて攻勢を強める。

チョンヤン選手もロープを背負いながら激しく応戦し、両者が一歩も引かない壮絶な打ち合いとなった。

田中選手のパンチを受け、チョンヤン選手の足が止まる場面も見られたが、

百戦錬磨のチョンヤン選手も最後まで倒れない。

一方の田中選手にも疲労が見え始める。

それでも最後まで攻め続け、左右のストレート、ヒザ、ボディなどを繰り出して勝利への執念を見せた。

最終盤には田中選手自身もパンチを受けてふらつく場面があったが、最後まで立ち続けた。

 

■異色のファイターが世界の舞台で存在感

判定は3-0。

最終3Rに逆転のダウンを奪った田中選手が、激闘を制してONE初勝利を手にした。

空手で培った強靭なフィジカルと攻撃力を武器に、

キックボクシングへ進出。そして現在は『men’s egg』の専属モデルとしても活動する。

「モデル」と「格闘家」。

一見すると正反対にも思える二つの世界を行き来しながら、田中選手は自らの可能性を切り開いている。

今回のONE初参戦では、劣勢の展開から最終ラウンドにダウンを奪い、勝利をもぎ取る強さを披露。

華やかなモデル活動で培った発信力と、リング上で見せるファイターとしての強さ――。

唯一無二のキャリアを歩む田中選手にとって、今回のONE初勝利は世界への大きな一歩となった。