ROAD TO UFC=鈴木崇矢選手が3R・TKOで完勝「ぶっ倒そう」と闘争心全開 高谷裕之氏に受け継ぐ“勝負師の魂”
【©️UFC】
中国・上海で行われた「Road To UFC アジア」のフライ級準決勝で鈴木崇矢選手(21=EXFIGHT)が圧巻の3R・TKO勝利を飾った。
UFCとの契約を懸けた大一番で鈴木選手が見せたのは、
冷静な試合運びと、最後の瞬間に一気に勝負を決め切る強烈な闘争心だった。
その姿には、現在セコンドを務める高谷裕之さんの現役時代を思わせる勝負師としての熱さがあった。
▪️「よし、ぶっ倒そう」最後に爆発した鈴木選手の闘争心
鈴木選手は試合開始からスタンドで主導権を握った。
相手が距離を詰めてくれば左ストレートを打ち込み、遠い距離では左ミドルや三日月蹴りを繰り出す。相手に攻撃の形を作らせず、自分の距離を保ちながら試合をコントロールしていった。
テイクダウンを許す場面があっても、すぐに立ち上がって相手の攻撃を無力化。グラップリングでも慌てることなく対応し、試合全体を通して大きな流れを相手に渡さなかった。
そして迎えた3R。
鈴木選手の中で、もう一段階ギアが上がった。
試合後、勝負を決めた瞬間について「久々に3Rまで行って、『よし、ぶっ倒そう』とスイッチが入った瞬間にもう試合が終わった」と振り返った。
セコンドからは無理に攻めなくてもいいという指示が出ていたという。
それでも、勝負を決めるチャンスを感じ取った瞬間、鈴木選手の闘争心が前面に出た。
結果は、その直後に訪れたTKO勝利。
相手が右足をひねるようにして後退すると、鈴木選手はその変化を見逃さなかった。
一気に距離を詰め、攻撃を畳み掛けてフィニッシュまで持っていった。
「俺の攻撃じゃねえのかよ」と思ったというほど、相手のアクシデントによる流れだったが、チャンスを瞬時に察知して勝利につなげた集中力と決定力は見事だった。
まさに、勝負を決める瞬間を逃さない“勝負師”の姿だった。
▪️高谷裕之氏から受け継いだ「攻める心」
試合後、鈴木選手は会見を見守る高谷さんに向かって、
「なんかいっちゃいましたね。気をつけます。高谷さん、すみません!」
と、ちゃめっ気たっぷりに笑顔で謝罪した。
しかし、この一幕を単なる“指示無視”と捉える必要はない。
むしろ、鈴木選手が持つ勝負への本能的な強さが表れた場面だった。
高谷さん自身、現役時代にはセコンドからの指示だけに頼るのではなく、自ら勝負を感じ取れば前へ出て、真っ向からスタンでイングのパンチで打ち合うファイトスタイルでファンを魅了してきた。
そのDNAを受け継ぐように、鈴木選手もまた、試合の流れを見極めながら「ここだ」と感じた瞬間に勝負へ出る。
もちろんMMAは冷静な判断が求められる競技だ。
それでも、大舞台で最後に勝敗を分けるのは、
技術だけではなく「絶対に仕留める」という直感力と強い闘争心の意志でもある。
高谷さんから鈴木選手へ。
時代が変わっても、勝負師に必要な“闘争心”は確かに受け継がれている。
▪️世界で鍛えたレスリング対応も披露
今回の勝利は、打撃だけによるものではない。
試合中にはテイクダウンを奪われる場面もあったが、鈴木選手は冷静に立ち上がり、相手のグラップリングを無力化した。
その背景には、米国の名門ジム「キルクリフ」でのトレーニングがある。
鈴木選手は、普段からスーパーレスラーたちと練習していることを明かし、今回も日本のトップレベルで戦ってきた松井涼さんらのサポートを受けていたという。
「焦らず立てた」という言葉からも、海外で積み重ねてきた経験が確実に実戦へ生きていることがうかがえる。
スタンドでは距離を支配し、グラウンドでは冷静に対応。
そして最後は一瞬のチャンスを逃さずフィニッシュする。
今回の鈴木選手は、総合格闘家としての完成度がさらに高まっていることを証明した。
▪️「僕が僕に期待している」あと1勝でUFCファイターへ
勝利した直後にもかかわらず、鈴木選手は自らのパフォーマンスに満足しきっているわけではない。
1Rから繰り出していた左ミドルについても手応えがなかったと振り返り、「見直さなきゃいけない点がいっぱいある」と冷静に自己分析した。
それでも、その言葉の奥には確かな自信がある。
「次の試合、期待してくださいと言うよりかは、僕が僕に期待しているので、自ずとめっちゃ強え鈴木崇矢になって帰ってくると思います」
その言葉通り、今回の勝利はゴールではない。
Road To UFCであと1勝。
その先には、世界最高峰のUFCが待っている。
最後に鈴木選手は、「絶対に勝ちます。そして、UFCのチャンピオンになります」と力強く宣言した。
完勝でつないだUFCへの道。
冷静さと爆発的な闘争心を併せ持つ21歳の鈴木選手が、次の大一番でどんな進化を見せるのか。
高谷さんから受け継いだ“勝負師の魂”を胸に、鈴木崇矢選手はいよいよ世界最高峰の舞台へ大手をかけた。


