ゲリット・コール投手がトミー・ジョン手術から完全復活へ 35歳右腕が6回1失点で7勝目 ヤンキースのエースが再び輝きを放つ

2026.8.21

 

 

6回93球4安打1失点8奪三振

復帰後の歩みを経て再び先発の柱に

ニューヨーク・ヤンキースのゲリット・コール投手(35)が、再びエースとしての存在感を放っている。

コールは20日(日本時間21日)、敵地カムデンヤーズで行われたボルティモア・オリオールズ戦に先発。6回を93球、4安打1失点、8奪三振に抑える力投を見せ、今季7勝目(6敗)を挙げた。ヤンキースは6―1で勝利し、3連戦を3連勝で終えた。コールの好投もあり、チームは4連勝。


 

唯一の失点は5回、ディラン・ビーバーズに許したソロ本塁打だった。

それでもコールはその後の打者を抑え、オリオールズ打線に反撃を許さなかった。11人連続で打ち取る場面もあり、復帰後のコンディションが着実に上向いていることを示す登板となった。

 今季のコールは、単なる「復帰」ではない。

長期離脱を乗り越え、メジャーを代表する右腕が

再び先発ローテーションの中心へ戻ってきた過程そのものが注目されている。


 

▪️153勝を積み上げたメジャーを代表する右腕

コールは2013年にピッツバーグ・パイレーツでメジャーデビュー。

2015年には19勝、2017年には12勝を挙げ、先発投手としての地位を確立した。

2018年にヒューストン・アストロズへ移籍すると、さらに飛躍。2018年は15勝、2019年には20勝5敗、防御率2.50、326奪三振を記録した。

2019年オフにはヤンキースと大型契約を結び、名門球団の先発陣を支える存在となった。

ヤンキース1年目の2020年は短縮シーズンながら7勝を挙げ、2021年は16勝、2022年は13勝、2023年は15勝を記録。特に2023年は33試合に先発して15勝4敗、防御率2.63、209イニング、222奪三振をマークし、ア・リーグのサイ・ヤング賞を受賞した。

2024年は開幕直前の故障で出遅れたものの、17試合に先発して8勝5敗、防御率3.41。

シーズン終了時点で、メジャー通算153勝を積み上げていた。

長年にわたってメジャーの第一線で投げ続けてきたコールにとって、2025年は大きな転機となった。

 

▪️2025年3月に大きな決断 右肘のトミー・ジョン手術

コールは2025年3月、右肘の再建手術、いわゆるトミー・ジョン手術を受けた。

これによって2025年シーズンを全休。

ヤンキースのエースは、長期間にわたるリハビリ生活に入った。

MLB公式によると、コールはリハビリ期間中もヤンキースタジアムで週6日のトレーニングを続け、投球再開に向けて段階的に準備を進めていた。本人は2025年5月の段階で、復帰を2026年に見据えていた。

そこから実戦復帰までの道のりは長かった。

ヤンキースのアーロン・ブーン監督が2026年5月19日に復帰を明らかにした時点で、コールが手術を受けた2025年3月から約14カ月が経過していた。

そして5月22日、コールはタンパベイ・レイズ戦でメジャーのマウンドに戻った。

MLB公式は、この復帰までの日数を「569日」と記録している。長いリハビリを終え、コールは再びメジャーの打者と対峙することになった。

 

▪️復帰直後から徐々に本来の姿へ

復帰直後は、当然ながら投球数やイニングに慎重な管理が必要だった。

マイナーでのリハビリ登板を重ねながら、球数、球速、制球、登板後の回復状態を段階的に確認。5月17日のリハビリ登板では、トリプルAで5回1/3を投げ、86球を記録。最速99.6マイル(約160.3キロ)を計測するなど、復活に向けた状態の良さを示していた。

メジャー復帰後も登板を重ねるごとに投球回数を伸ばし、球威だけに頼らず、長年培ってきた配球と制球力を生かした投球を披露。

 8月8日のアトランタ・ブレーブス戦では7回を投げて9奪三振、2失点。これが3連勝となり、この試合でヤンキース所属時の通算1000奪三振にも到達した。球団史上、この記録を達成した投手は限られており、コールがヤンキースの歴史に名を刻んでいることを改めて示した。

さらに8月20日のオリオールズ戦では6回93球、4安打1失点8奪三振。今季7勝目を手にした。

 

▪️35歳でも再びヤンキースの柱に

コールは2026年、トミー・ジョン手術から復帰したシーズンながら、ここまで先発として登板を重ねている。

今回のオリオールズ戦を終えた時点で、2026年は15試合に先発。

通算成績は7勝6敗となった。

手術からの復帰直後には慎重な調整が続いたが、シーズンが進むにつれて投球回数を伸ばし、8月に入ってからは7回を投げる登板も記録している。

特筆すべきは、復帰後もコールの武器である三振能力と制球力が健在であることだ。

かつてピッツバーグ、ヒューストン、そしてヤンキースで実績を積み重ね、2023年にはサイ・ヤング賞に輝いた右腕。2025年には右肘の手術によって長期間マウンドを離れたが、約1年半に及ぶリハビリを経て、再びメジャーの舞台に戻ってきた。

35歳となった今季、コールは「かつてのエース」ではなく、現在進行形でヤンキースの先発ローテーションを支える存在として投げ続けている。

長いリハビリ、段階的な球数増加、実戦での調整を積み重ね、

その先に今回の6回93球1失点という投球がある。

そして現在、コールは再び勝ち星を積み重ねている。

8月に入り、ブレーブス戦での7回2失点、オリオールズ戦での6回1失点と、

先発投手としての存在感をさらに高めている。