35戦無敗K-1王者ティアン・ターザンに最大の試練 元GLORY世界上位ランカーとの防衛戦は“世界トップ認定”を懸けた大一番

2026.7.30

35戦無敗という圧倒的な実績を誇るK-1 WORLD GPクルーザー級王者ティアン・ターザン(オランダ)が、キャリア最大級とも言える試練に挑む。

9月26日(現地時間)、オランダ・ティルブルフで開催される『Enfusion』で、ターザンは自身が保持するEnfusionクルーザー級王座の防衛戦に臨む。

当初はSENSHI王者ロイク・ンジェヤとの王者対決が予定されていたが、ンジェヤの負傷欠場により対戦カードが変更。その代役として送り込まれたのは、元GLORY世界ランキング上位に名を連ねた実力者、ウリック・ボケメ(コンゴ)だった。

結果として、挑戦者の格はむしろ引き上げられたと言っていい。


ボケメはサッカーのスイス代表候補として活躍した異色の経歴を持ち、負傷による競技生活の転機をきっかけにキックボクシングへ転向。『Enfusion』で頭角を現した後は、世界最高峰団体『GLORY』でも存在感を示し、世界ミドル級3位まで駆け上がった。

2023年には当時世界2位だったセルカン・オズカグライヤン選手を破る番狂わせを演じ、翌2024年には絶対王者ドノバン・ウィッセ選手の世界王座にも挑戦。さらに現GLORY世界王者チコ・クワジ選手やマイケル・ボアペア選手ら世界最高峰のファイターたちとしのぎを削ってきた実績を持つ。

現在の戦績は36勝(17KO)7敗。直近ではSENSHIで4連勝を飾るなど世界トップ戦線で戦い続けており、ターザンにとってこれまで以上に危険な相手となることは間違いない。

一方のターザンは、35戦35勝(31KO)無敗という驚異的な戦績を誇る。勝利の多くを初回KOで決着させる圧倒的な破壊力を武器に、Enfusionライトヘビー級、クルーザー級の2階級制覇を達成。2025年にはマハムード・サッタリ選手を1ラウンドで沈め、第5代K-1 WORLD GPクルーザー級王座を獲得すると、K-Jee選手を初回KOで退けて初防衛にも成功した。

さらに、日本でも『LEGEND』やK-1のリングで遊笑選手、RUI選手、カルロス・ブディオ選手らを次々とKO。25歳という若さながら、ヨーロッパと日本の両舞台で圧倒的な存在感を放ち続けている。

しかし、今回の防衛戦はこれまでの無敗記録を更新するだけの一戦ではない。

ボケメはGLORYの世界ランキング上位で長く戦い続けた経験を持ち、世界最高峰レベルを知る実力者。その相手を相手に完勝を収めることができれば、ターザンは「無敗の有望株」という評価から一歩抜け出し、名実ともに世界トップファイターの一人として認知される可能性が大きく高まる。

すでにターザンは数戦後のMMA転向を公言している。

だからこそ、この防衛戦はキックボクシングキャリアの中でも極めて重要な意味を持つ。世界最高峰の実績を持つ挑戦者を退ければ、その価値は単なるタイトル防衛を超え、「世界最強クラス」の証明を打ち出せる。

35連勝という数字の先に待つのは、歴史的な無敗記録の更新だけではない。

世界の頂点を争うファイターとしての評価を決定づける、

キャリア屈指の大一番が目前に迫っている。


【文:高須基一朗】