FIFAがW杯決勝後の乱闘騒動で懲戒手続きを開始 アルゼンチン代表選手・スタッフらが対象 横断幕問題も調査へ
北中米ワールドカップ決勝後に発生し、世界中に衝撃を与えた乱闘騒動から約2週間。FIFA(国際サッカー連盟)は現地7月29日、規律委員会がアルゼンチン・サッカー協会および同代表の複数の選手、スタッフに対する懲戒手続きを開始したと発表した。対象者には弁明の機会が与えられた上で、「適切な時期に決定を下す」としている。
今回の発表では、決勝戦後の暴力行為だけでなく、準決勝後に物議を醸した政治的メッセージを含む横断幕問題についても調査対象となった。
FIFA規律委員会は声明で、アルゼンチン代表の複数の試合において、差別的なチャントやジェスチャー、キックオフの遅延、試合運営や警備手順への不遵守、不適切なメッセージの掲示、観客による物の投げ込みなどが確認されたとして、アルゼンチン・サッカー協会に対する懲戒手続きを開始したと説明した。
準決勝のイングランド代表戦(2-1)後には、クリスティアン・ロメロ選手、リサンドロ・マルティネス選手、ジオバニ・ロ・チェルソ選手が、「マルビナス諸島(英国名・フォークランド諸島)はアルゼンチンのものだ」と書かれた横断幕を掲げて勝利を祝福。また、レアンドロ・パレデス選手も試合後のインタビューで同様の趣旨を発言し、政治的メッセージをスポーツの舞台で発信したとして国際的な議論を呼んだ。
FIFAは、この件についてスポーツイベントを政治的な示威行為に利用した可能性や、チームの不正行為、差別行為、試合の秩序・安全に関する規定に抵触する可能性を調査すると説明。ただし、現時点ではアルゼンチン・サッカー協会への手続き開始を発表したものであり、横断幕問題に関して選手個人への処分については言及していない。
一方で、決勝のスペイン代表戦終了直後に発生した乱闘騒動については、選手・スタッフ個人を対象とした懲戒手続きに踏み切った。
FIFAによると、暴行に関する規定違反の疑いで、ナウエル・モリーナ選手が2件(既遂1件、未遂1件)、レアンドロ・パレデス選手が3件、アルゼンチン代表スタッフのロベルト・アジャラ氏が1件の調査対象となった。
さらに、反スポーツ的行為の疑いでは、モリーナ選手、チアゴ・アルマダ選手、
スペイン代表のガビ選手にも懲戒手続きが開始されている。
問題の場面は、スペイン代表が優勝決定直後にピッチで歓喜のセレブレーションを始めた際に発生した。映像では、スペイン代表主将のロドリ選手に対してモリーナ選手が胸部へ拳を振るい、その後、両チームの選手が入り乱れる乱闘へ発展。パレデス選手がエリク・ガルシア選手を突き飛ばし、仲裁に入ったガビ選手にも殴打する様子が国際映像で確認され、大きな波紋を広げた。
さらに混乱の中では、アルマダ選手とガビ選手の小競り合いに加え、アルゼンチン代表コーチのロベルト・アジャラ氏がスペイン代表のダニ・オルモ選手の頭部を叩く様子も映像に映し出され、世界各国のメディアやファンから厳しい批判が相次いだ。

