マクレガーが1827日ぶり復帰戦は69秒TKO負け 肉体改造の陰で露呈した「下半身の脆さ」、ローキック対策にも改善見られず
【©️UFC】
元UFC2階級同時王者のコナー・マクレガー選手(37=アイルランド)は7月11日(日本時間12日)、米ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催された「UFC 329」のメインイベントで、元フェザー級王者のマックス・ホロウェイ選手(34=米国)と対戦。開始からわずか1分9秒、右足のダメージによりレフェリーストップとなり、1827日ぶりの復帰戦はTKO負けという予想外の結末に終わった。
試合は開始直後から異変が起きた。
マクレガー選手は左ミドルキックを放った際、着地のタイミングで右足をひねるような動きを見せる。その後も試合続行の意思を示したものの、ホロウェイ選手のローキックを受けるたびに表情をゆがめ、足をかばう仕草が目立った。最後はダメージの深刻さをレフェリーが判断し、試合を止めた。
会場を埋めたファンからは、あまりにも突然の幕切れに大きなどよめきとブーイングが巻き起こった。
今回の敗戦で改めて浮き彫りになったのは、マクレガー選手が抱える「下半身」の不安だ。
2021年には、ダスティン・ポイエー選手戦では左脛骨と腓骨を骨折する大けがを負い、それ以来約5年間、実戦から遠ざかっていた。その間、SNSでは以前にも増して発達した肩や胸、腕など上半身の筋肉が大きな話題となり、「史上最高の肉体」と評する声も少なくなかった。
しかし、実戦ではその肉体美とは対照的に、下半身の安定感や耐久性には依然として大きな課題が残されていることを、この試合で印象づけた。
特に気になったのは、ローキックへの対応力だ。
ホロウェイ選手のローキックは決して一方的に打ち込まれたわけではないが、わずかな被弾でもダメージが蓄積している様子がうかがえ、この数年間の空白の充電期間で
蹴りに対する耐性やバランス能力が十分に強化されたとは言い難い。
マクレガー選手はかつて爆発的な踏み込みと強烈な左ストレートを武器に世界を席巻した。だが、長期離脱を経た現在は、上半身のパワーアップが目を引く一方で、試合を支える土台となる下半身の機能が全盛期の水準まで戻っていない印象は否めない。
今回の敗戦は、単なるアクシデントとして片付けられるものではない。
2021年の大けが以降、下半身への不安が再び露呈したことで、
今後の競技生活においても大きな課題を突きつけられた一戦であろう。。
マクレガー選手にとって、再びMMAの世界で頂点を目指すのであれば、肉体の見栄えだけではなく、ローキックへの耐性やフットワーク、下半身全体の機能をいかに再構築できるかが、復活への最大のテーマとなとことが急務であろう。
【文:高須基一朗】

