ロッタン 計量クリアで万全アピール “因縁の体重問題”乗り越え 武尊選手のラストマッチ確定で緊張感高まる

2026.4.28

【©️ONE Championship

アジア最大級の格闘技団体であるONE Championshipが開催する大会「ONE SAMURAI 1」(4月29日、東京・有明アリーナ)を前に、前日計量とハイドレーションテストが28日に実施された。メインイベントで対戦するロッタン・ジットムアンノンと武尊選手がともに規定をクリアし、決戦に向けた最終関門を突破した。


 

ロッタンは午前の計量開始から間もなく会場入り。

尿比重によって体内水分量を確認するハイドレーションテストを難なく通過すると、続く公式計量でも134.8ポンド(約61.14キロ)を記録し、一発でクリアした。引き締まった肉体を披露しながらガッツポーズを見せると、会場からは安堵と期待が入り混じる拍手が起きた。

ONEにおける計量制度は、従来の過酷な減量による事故を防ぐ目的で、試合の24~48時間前に水分状態と体重を同時にチェックする独自ルールを採用している。選手は限られた時間内に両方の基準を満たす必要があり、コンディション管理の巧拙が勝敗以前の重要な要素となっている。

そうした中で、ロッタンにとって今回の“クリア”は単なる通過点以上の意味を持つ。2019年にONEムエタイ世界フライ級王座を獲得し、団体を象徴するスターへと成長した一方、近年は体重管理を巡る問題が影を落としてきた。2024年11月には王座防衛戦で計量とハイドレーションテストに失敗し、ベルトを剥奪。

さらに翌年の世界戦でも、規定はクリアしたものの直後に体調を崩し、救急搬送の末に試合中止となるなど、不安定さが指摘されていた。

それだけに、今回のスムーズな計量通過は、コンディション回復を印象づける材料と言える。関係者の間でも「試合以前の不安要素は払拭された」との見方が広がっている。

 

一方、対する武尊選手も134.0ポンド(約60.78キロ)で計量をクリアし、ハイドレーションテストも問題なく通過。日本キックボクシング界を牽引してきたエースは、この一戦を“現役最後の試合”と公言しており、その去就とともに試合の注目度は極めて高い。

両者は2025年3月、ONEキックボクシングルールで対戦し、ロッタンが1ラウンドKOで勝利。今回の再戦は、武尊選手にとっては雪辱戦であり、ロッタンにとっては武尊選手に対して完全決着で格闘技人生における引退の引導を渡す舞台となる。

さらに今回はフライ級キックボクシング暫定世界王座が懸けられ、

単なるリマッチにとどまらない“価値”が付与された。

万全の状態で計量を終えた両者。

過去の因縁、そしてキャリアの節目が交錯する一戦は、単なる勝敗を超えた意味を帯びながら、ゴングの瞬間を明日に迎える。


【文:高須基一朗】