63年ぶりの歴史更新 SGAが127試合連続20得点 伝説チェンバレンを超えた「現代NBAの象徴的記録」
【©️Oklahoma City Thunder 】
NBAで、半世紀以上破られなかった“伝説の記録”がついに塗り替えられた。
オクラホマシティ・サンダーのエース、シェイ・ギルジャス・アレキサンダー(SGA)が現地時間3月12日、20得点以上の連続試合数でNBA新記録を樹立した。本拠地ペイコム・センターで行われたボストン・セルティックス戦で35得点をマークし、連続試合数を127へと更新。これまで“伝説の巨人”として知られるウィルト・チェンバレンが保持していた126試合の大記録を抜き去った。1963年以来、実に63年ぶりの更新である。
この記録は単なる数字以上の意味を持つ。
チェンバレンの記録が生まれた1960年代は、NBA史のなかでも特異な時代とされる。リーグ全体のテンポが速く、得点数も現在以上に膨れ上がる“高得点時代”だった。圧倒的な身体能力を誇るチェンバレンは、その環境の中で数々の得点記録を量産し、100得点試合など現在でも破られていない金字塔を打ち立てた。
その歴史的な記録に、現代NBAのスターが並び、そして超えたのである。
SGAの連続記録は、2024年10月30日のサンアントニオ・スパーズ戦で18得点に終わった試合の後から始まった。それ以降、レギュラーシーズンのすべての試合で20得点以上を記録。昨年12月22日には史上2人目となる100試合連続20得点を達成し、記録更新は時間の問題と見られていた。
今季途中には約3週間の故障離脱も経験したが、復帰後も得点力は衰えなかった。むしろ安定感は増し、試合ごとに淡々と数字を積み重ねていく姿は、リーグ屈指のスコアラーとしての地位を改めて印象づけている。
記録更新がかかったセルティックス戦でも、その存在感は揺るがなかった。前半で17得点を挙げると、第3クォーター残り7分4秒、トップ・オブ・ザ・キーからジャンパーを沈めて20得点に到達。アリーナに詰めかけた観衆は総立ちとなり、歴史の瞬間を祝福した。
試合自体も劇的だった。同点で迎えた残り30秒、SGAがジャンパーを沈めて勝ち越し。最後はチェット・ホルムグレンがフリースローを決め、サンダーが104―102で競り勝った。記録達成の夜を、自らの決定的な一撃で締めくくった形だ。
もっとも、今季のNBAは1960年代初期以来とも言われる高得点環境にある。3ポイントシュートの普及と攻撃的な戦術の進化によって、リーグ平均得点は年々上昇している。そうした背景を考慮しても、127試合連続で20得点を維持する安定性は別格だ。
実際、この記録にはマイケル・ジョーダンやケビン・デュラント、カリーム・アブドゥル=ジャバーといった歴代の名スコアラーも届かなかった。SGAが到達したのは、単なる得点力だけではなく、継続的な支配力の領域だと言える。


