ONEタイの英雄ロッタン 涙のKO敗戦…“初めての完敗”が刻んだ深い傷 武尊選手との明暗くっきり
【©️ONE Championship】
アジア最大級の格闘技団体「ONE Championship」が開催した「ONE SAMURAI 1」で、衝撃的な結末が待っていた。メインイベントのフライ級キックボクシング暫定王座決定戦で、引退試合に臨んだ武尊選手がロッタン・ジットムアンノン選手をKOで下し、有終の美を飾った。
一方、敗れたロッタン選手にとって、この一戦はあまりにも重い意味を持つものとなった。三百戦以上のキャリアを誇る“鉄人”にとって、内容、結果ともにここまで何もできずに終わる“完敗”は初めてとも言える屈辱。試合後、ロッタン選手は涙が止まらず、リングを降りても、リングサイド脇の階段で、人目を憚らず号泣。
深い悲しみと落胆を隠せなかった。
試合は序盤から激しい打ち合いとなる中、第2ラウンドに2度のダウンを喫する苦しい展開。それでも第4ラウンドには意地を見せて巻き返す場面を作ったが、最終ラウンド、武尊選手の猛ラッシュの前に力尽き、KO負けを喫した。
試合後、ロッタン選手は観客の大きな拍手に日本式の会釈で頭を下げて退場。
しかし控え室に戻ってからも感情を抑えきれず、肩を落としながら悔し涙を流し続けた。自身のSNSでも「ごめんなさい。本当に悲しくてたまらない」と胸の内を明かし、その精神的ダメージの深刻さをうかがわせた。
これまで幾多の激闘を乗り越えてきたロッタン選手だが、“初めて味わう完敗”は想像以上に重くのしかかる。積み上げてきた自信や無敵のイメージが揺らぐ中で、この敗戦は単なる黒星以上の意味を持った傷跡となったことは紛れもなき事実だ。
さらに皮肉なのは、同じ舞台で武尊選手が劇的な勝利で評価を一気に高めた一方、ロッタン選手の評価は一転して急落した点だ。これまで世界最高峰の打撃系ファイターとして並び称されてきた両者だが、この一戦を境に、その評価は“天と地”ほどの差が生まれたとの見方も少なくない。
結果がすべてを左右する格闘技の残酷な世界において、この完敗が与えるインパクトはあまりにも大きい。だからこそ、この敗戦をどう受け止め、どう乗り越えるのか・・・
ロッタン選手の早期復帰を待ちたいと思う。
【文:高須基一朗】



