超RIZIN.5 第3試合 速報テキスト 元王者ケラモフが高木凌を15分間削り続け判定勝ち 強烈な組みとパワーで高木の武器を封じ込める

2026.9.10

 

京セラドーム大阪で10日、「超RIZIN.5」が開催され、

第3試合ではヴガール・ケラモフ選手と高木凌選手が

RIZIN MMAルール5分3R、66.0kg契約で対戦した。

試合は、ケラモフ選手が持ち前の強烈なフィジカルと組みの強さを生かして高木選手を何度もグラウンドへ持ち込み、15分間にわたって攻撃の主導権を握る展開となった。

判定は29-28、30-27、30-27の3-0。

ケラモフ選手が判定勝利を収めた。


 

▪️「最初の攻防」が勝負を左右した第1ラウンド

高木選手にとって、この試合で最も重要だったのが序盤の距離だった。

ケラモフ選手は、相手との距離を詰めると一気にクラッチへ。組んだ際の力は強烈で、高木選手が体勢を作ろうとしても、ケラモフ選手は組みを外させない。

右パンチを織り交ぜながらプレッシャーをかけ、高木選手をコーナーへ追い込む。

高木選手は一度立ち上がる場面を作ったものの、ケラモフ選手は再びテイクダウン。高木選手が下になると、肩固めを狙いながらポジションを固めていく。

しかし、高木選手もただ守っていたわけではない。

肩固めに対して少しずつ体勢をずらし、フィニッシュを許さずに脱出。セコンドの塩田氏から飛ぶ指示も的確で、苦しい時間帯のなかでも次の動きを明確にしていた。

一方で、第1ラウンド終盤になるとケラモフ選手にも変化が見え始める。

攻撃量が多かっただけに、セコンドへ戻る際には明らかな消耗も見られた。

 

▪️ケラモフの強さと高木の研究が交錯した第2ラウンド

第2ラウンドでは、アクシデントも試合の流れに影響した。

高木選手の左手の指がケラモフ選手の左目付近に入る場面があり、試合は一時中断。

さらに同じ左目付近に指が入る場面があり、ケラモフ選手は露骨に不快感を示した。

目への接触は視界に影響する可能性があるだけに、競技上も無視できないポイントだ。今回は警告にとどまった。

ただ、高木選手の戦い方を見ると、ケラモフ選手をかなり研究してきたことも伝わってきた。

不用意に真正面から力勝負をするのではなく、組まれた後の対応、下になった際の逃げ道、ギロチンへの移行など、細かな局面で技術を見せる。

実際、下からギロチンを仕掛ける場面もあった。

高木選手の技術的な精度は決して低くない。

しかし、この日のケラモフ選手には、それを上回る「力」があった。

 

▪️技術だけでは止められないケラモフのフィジカル

ケラモフ選手は、かつてRIZINフェザー級王座を獲得した実績を持つ実力者だ。

アゼルバイジャン出身で、強烈なレスリングとグラウンドコントロールを武器にRIZINのフェザー級トップ戦線を走ってきた。

2023年にはクレベル・コイケ選手を破ってRIZINフェザー級王座を獲得。

その後、王座を失ったものの、2024年11月には摩嶋一整選手をわずか28秒、パンチとエルボーによるTKOで下している。さらに2025年6月には木村柊也選手にも判定勝利。

トップクラスの日本人選手を相手に、組みの強さを証明してきた。

つまり、高木選手がこの日に向き合ったのは、単なる外国人ファイターではない。

RIZINフェザー級のタイトル戦線を経験し、実際にベルトを巻いた元王者だ。

一方の高木選手も、すでにRIZINで存在感を高めている。

2025年5月の「RIZIN男祭り」では秋元強真選手と対戦し、現在のフェザー級で注目される日本人ファイターの一人として頭角を現した。

さらに2026年5月のRIZIN.53ではリー・カイウェン選手を1R1分38秒、

パンチによるKOで下している。

自らの打撃を、元RIZIN王者クラスのフィジカルとグラップリングにぶつける試金石だった。

実際、ケラモフ選手の組みを完全に止めることはできなかったものの、

肩固めを外し、ギロチンを仕掛け、局面ごとに対応する技術は見せた。

ただし、試合全体を支配したのはケラモフ選手だった。

 

▪️第3ラウンドはガス欠のケラモフは“塩漬け”で勝ち切る

最終ラウンドになると、ケラモフ選手の疲労は明らかだった。

第1ラウンドから組みとテイクダウンを繰り返したことで、

出力そのものはかなり落ちていた。

それでも、高木選手にとって厄介だったのは、

ケラモフ選手のパワーが最後まで残っていたことだ。

高木選手が打撃で勝負を仕掛けても、ケラモフ選手は一度組めば展開を変える。

そして、再び打撃を掻い潜ってのテイクダウン。

ケージ際で押し込み、高木選手の動きを止める。

いわゆる「塩漬け」とも表現できる展開だったが、

これは単純に動きがなかったということではない。

ケラモフ選手にとっては、無理にフィニッシュを狙ってスタミナをさらに消耗するよりも、相手を下に固定し、反撃の余地を削りながらラウンドを終えることが合理的だった。

結局、15分間にわたって消耗戦が続いた。

判定は3-0、ケラモフが完勝

3ラウンド終了。

判定は、

29-28
30-27
30-27

3-0でケラモフ選手。

元王者がRIZIN12戦目で高木選手を判定で退けた。

派手なKOや一本勝ちではなかったが、

RIZINのフェザー級トップクラスで長く戦ってきた選手ならではの「勝ち方」だった。