RWS=16歳ムエタイ女王の壁は高かった―ぱんちゃん璃奈選手 ムエタイ首相撲に封じられ判定負け「何もできなかった」と完敗認め再起誓う
ムエタイとキックボクシング。
その似て非なる競技性の違いが、勝敗を大きく分けた。
【©️RWS】
8月1日、タイ・バンコクのラジャダムナンスタジアムで開催された『RWS(Rajadamnern World Series)』で、109ポンド(49.44kg)契約マッチに臨んだ元KNOCK OUT-BLACK2階級王者のぱんちゃん璃奈選手(32)は、
16歳のムエタイ王者ノンギフト選手(タイ)に判定0-3で敗れた。
キックボクシングで数々の実績を築いてきたぱんちゃん選手だったが、ムエタイならではの「首相撲」という攻防に苦しみ、本来のパンチ主体のスタイルを最後まで発揮できなかった。
▪️試合の流れを変えた「首相撲」の攻防
試合は立ち上がりから、ぱんちゃん選手が得意のパンチで前へ圧力をかける積極的な展開となった。
しかし、ノンギフト選手はその距離を巧みに消し、首相撲へ持ち込むとヒザ蹴りを繰り返して主導権を掌握。さらにミドルキックやハイキックを織り交ぜながら、ムエタイならではの多彩な攻撃で着実にポイントを積み重ねた。
第2ラウンド以降は首相撲の展開がさらに増え、ぱんちゃん選手は何度も組み止められて得意の連打を封じられる苦しい時間帯が続く。それでもヒザ蹴りを返す場面も見せるなど応戦したが、首相撲での攻防ではノンギフト選手が一枚上手だった。
終始ペースを握った16歳のムエタイ王者が、判定3-0で完勝を収めた。
試合後、ぱんちゃん選手は自身のSNSを更新し、敗戦を率直に振り返った。
「ムエタイのデビュー戦・・・首相撲で完敗しました。組まれて何もできなかった。トップ選手の凄さを目の当たりにして、首相撲ができないと何度やっても勝ち目はないと思いました」と、自身の課題を真正面から受け止めた。
その一方で、
「キックからムエタイに転向してセンスがないのは分かってるけど、首相撲でタイ人に勝つまで頑張りたい気持ちもある」
と綴り、ムエタイへの挑戦を続ける意思も明かしている。
▪️昨年の敗戦から続く課題 ムエタイへの適応が今後の鍵に
ぱんちゃん選手は2025年12月にも、『KNOCK OUT』のREDルール(肘・首相撲あり)で、元プロムエタイ2階級王者のサネーガーム選手と対戦。この試合でも首相撲と前蹴りで試合を支配され、判定0-3で敗れていた。
今回のRWSでも浮き彫りになったのは、パンチ主体のキックボクシングと、首相撲やヒジ打ちが重要な得点要素となるムエタイとの競技性の違いだった。
世界最高峰のムエタイの舞台で16歳の王者と拳を交えた経験は、結果以上に大きな財産となる可能性がある。課題が明確になった今、ぱんちゃん選手が首相撲という壁を乗り越え、新たな進化を遂げられるか。
【文:高須基一朗】


