王者パシオの底力が炸裂―失神チョークで大逆転V2 絶体絶命から世界王座を守る

2026.7.10

【©️ONE Championship】

7月10日(日本時間)、タイ・バンコク・ルンピニースタジアムで開催された『ONE Friday Fights 161』で、ONEストロー級MMA世界タイトルマッチが行われ、王者ジョシュア・パシオ選手(フィリピン)が挑戦者マンスール・マラチエフ選手(ロシア)を1ラウンド4分23秒、リアネイキッドチョークで一本勝ち。失神に追い込む劇的な逆転勝利で、2度目の王座防衛を果たした。


 

試合は、王者にとって決して順風満帆な展開ではなかった。

開始直後からマラチエフ選手が得意のレスリングを前面に押し出し、鋭いダブルレッグでテイクダウンに成功。パシオ選手はギロチンチョークを狙って迎え撃つが、巧みに対処したマラチエフ選手はそのままバックポジションを奪い、「4の字フック」からリアネイキッドチョークを極めにかかる。

王者の表情はみるみる苦悶に変わり、会場には「決着か」と思わせる緊張が走った。タップ寸前とも映る極限状態まで追い込まれながらも、パシオ選手は驚異的な精神力で耐え抜き、わずかな隙を突いてホールドを解除。絶体絶命の状況から流れを一変させる。

 

その瞬間からは、王者の真骨頂だった。

体勢を入れ替えてバックを奪い返したパシオ選手は、そのままリアネイキッドチョークを深くセット。必死に抵抗を続けるマラチエフ選手だったが、最後は意識を失い、レフェリーが試合をストップ。窮地を乗り越えた王者が、鮮烈な一本勝ちでベルトを守り抜いた。

両者は2023年10月にも対戦しており、その際はパシオ選手が判定勝ちを収めていた。その後、マラチエフ選手は猿田洋祐選手、ボカン・マスンヤネ選手、ジャレッド・ブルックス選手ら実力者を次々と撃破し、大きく力をつけてタイトル戦線へ返り咲いた。雪辱を懸けた挑戦だったが、最後は王者の勝負強さが上回る結果となった。

パシオ選手は昨年11月、『ONE 173』でフライ級王者・若松佑弥選手への挑戦でTKO負けを喫し、2階級制覇の夢は叶わなかった。それだけに、今回の防衛戦は王者としての存在感を改めて示す重要な一戦でもあった。

試合後のマイクでは、「決して簡単な試合ではなかった。でも、自分はまだ進化を続けている」と充実感をにじませ、「次の相手は誰でも構わない。ONEが用意してくれる相手と戦う」と王者らしく堂々と宣言。激闘を評価され、パフォーマンスボーナスも獲得した。