UFCがランキング制度を刷新 Metaと共同開発したAI活用システム導入へ “人が決める順位”から“データが導く評価”の時代へ

2026.6.24

世界最大の総合格闘技団体UFCが、

長年続いてきたランキング制度に大きなメスを入れた。

UFCは6月22日(現地時間)、公式ファンテクノロジーパートナーであるMetaと共同で、新たな選手評価システム「Meta UFCランキング」を発表した。従来のメディア投票によって決定されていたランキングを廃止し、試合データや機械学習を活用した新たな評価モデルへ移行する。


【堀口選手や平良選手のフライ級も明確な結果が導かれている】

格闘技界ではランキングがタイトル挑戦権や選手の市場価値を左右する重要な指標となる一方、その選考基準の不透明さや主観的評価を巡って長年議論が続いてきた。今回の改革は、そうした課題に対するUFCなりの回答とも言えそうだ。

UFC会長兼CEOのデイナ・ホワイト氏は、かねてランキング制度に疑問を抱いていたことを明かしている。

「ランキングには常に不満があった。もっと良い方法があるはずだと思っていた」

そう語るホワイト氏は、UFCがこれまでも競技運営やファン体験において積極的にテクノロジーを取り入れてきたことを強調。その延長線上に今回のランキング改革があると説明した。

一方、Meta創業者兼CEOのマーク・ザッカーバーグ氏も、UFCとの共同開発に強い期待を寄せる。

「ファイターのパフォーマンスをこれまで以上に深く分析できるシステムになる。ランキングはより透明で正確なものになるだろう」

新システムでは、すべてのUFC公式イベント終了後の月曜日にランキングが自動更新される。評価には勝敗だけでなく、対戦相手の実力、試合内容、フィニッシュの質、近年の成績推移、さらには階級ごとの競争レベルなど、多角的なデータが反映される。

例えばランキング上位選手をKOや一本勝ちで下した場合は高く評価される一方、ランキング外の相手に僅差判定で勝利した場合の評価は限定的となる。また、近年の試合結果ほど重視されるため、長期間試合から遠ざかる選手は順位維持が難しくなる仕組みだ。

これまでのランキングは専門メディアによる投票制度が採用されていたが、人気や話題性、知名度などが順位に影響しているとの指摘も少なくなかった。Meta UFCランキングは、あくまでオクタゴン内での実績を数値化し、競技成績そのものを評価軸の中心に据えることを目指している。

もっとも、この試みは単なるランキング改革にとどまらない可能性を秘めている。

近年のスポーツ界では、野球やサッカー、バスケットボールなどでデータ分析が急速に進化しており、選手評価の基準も従来の印象論から数値化へと移行している。UFCがMetaとの連携を通じてAIや機械学習を本格導入する背景には、格闘技という競技そのものをより客観的に可視化しようとする狙いがあるとみられる。

一方で、格闘技には数字だけでは測れない要素も存在する。相手との相性、試合展開、負傷状況、競技者としての勢いなど、人間が感じる「強さ」をどこまでデータが再現できるのかは今後の注目点となる。

UFCは今回の新システムについて、「最も一貫性があり、明確なファイター評価を実現する」と説明している。AIとデータ分析が競技評価の中心へと入り込む時代の中で、世界最高峰のMMA団体が打ち出した新たな挑戦は、今後の格闘技界全体にも大きな影響を与えることになる。