全仏オープン・テニス=コスチュク選手が祖国ウクライナへの思い胸に歴史的4強入り 涙の勝利スピーチに世界が注目

2026.6.3

女子テニスの四大大会「全仏オープン」(フランス・パリ)は6月2日、女子シングルス準々決勝を行い、世界ランキング15位のマルタ・コスチュク選手(ウクライナ)が、同7位のエリーナ・スビトリナ選手(ウクライナ)との同胞対決を制し、自身初となる四大大会ベスト4進出を果たした。


 

スコアは6-3、2-6、6-2。

激闘の末につかんだ勝利は、オープン化以降では

ウクライナ女子選手として初となる

全仏オープン4強入りという歴史的快挙となった。

試合は、四大大会史上初の“ウクライナ勢同士による準々決勝”として世界的な注目を集めた。互いを知り尽くす両者による一戦は、技術と精神力がぶつかり合う濃密な内容となり、センターコートには緊張感が漂った。

23歳のコスチュク選手は、第1セットを先取した後、第2セットを落として試合は最終セットへ。ファイナルセットでは果敢なリターンゲームで主導権を握り、幾度もブレークを重ねながら勝利を引き寄せた。

今大会では、元世界女王イガ・シフィオンテク選手(ポーランド)を破るなど勢いに乗っており、この勝利で連勝は「17」に到達。

大舞台で急成長を遂げる若き才能として存在感を高めている。

 

しかし、試合後のオンコートでのインタビューで見せたのは、歓喜だけではなかった。

コスチュク選手は涙を浮かべながら、祖国ウクライナへの思いを静かに口にした。

「昨夜も・・・ウクライナでは非常に厳しい夜だった。特にキーウでは多くの命が失われた。この試合を、ウクライナの人々、そして困難の中でも耐え続ける人々に捧げたい」

戦火が続く祖国を案じながら、

世界最高峰の舞台で戦う姿は、多くの観客の胸を打った。

また、対戦相手のスビトリナ選手についても、「彼女はウクライナのテニス界だけでなく、多くの人々に勇気を与えてきた存在」と敬意を示し、同胞として互いを称え合う姿勢を見せた。

試合後の会見では、「こうして発信し続けることで、世界が現状を忘れないことが大切」とコメント。テニス選手としてだけでなく、一人のウクライナ人としての責任感もうかがわせた。

準決勝では、第8シードのミラ・アンドレーワ選手と対戦予定。

初の四大大会決勝進出を懸け、コスチュク選手は再び大舞台へ挑む。

母国が戦果とういう困難な現実を背負いながらも、

希望を失わず戦い続けるその姿は、

スポーツの枠を超えて世界へ強いメッセージを届けている。