アストロズ 今井達也投手が6回2失点も援護なく3敗目 110球の熱投に宿った“本領”…終盤でも衰えぬ剛球
【©️Houston Astros 】
黒星こそついた。
しかし、この日の投球内容は、今井達也投手がようやくメジャーのマウンドで本来の姿を見せ始めたことを十分に証明するものだった。
アストロズの今井達也投手(28)は5月31日(日本時間6月1日)、本拠地ヒューストンでのブルワーズ戦に先発登板。6回を投げて3安打2失点、7奪三振の力投を見せたが、打線の援護に恵まれず3敗目(2勝)を喫した。チームも0―2で敗れ、借金は7となった。
立ち上がりから今井投手のボールは走っていた。
1回、2回を完璧な三者凡退。角度あるフォーシームと鋭く曲がるスライダーを軸に、ブルワーズ打線へほとんど的を絞らせない。テンポの良さと球威がかみ合い、試合序盤から支配的な空気を作り出した。
3回には安打と四球で一死一、三塁のピンチを招いたものの、ここからが圧巻だった。強打者イエリチ選手を鋭いスライダーで空振り三振に仕留めると、続くミッチェル選手には二ゴロを打たせて無失点。崩れそうな気配を一切感じさせないマウンドさばきだった。
一方で、悔やまれたのは打線の援護不足だ。
3回裏二死満塁と絶好の先制機を作りながら無得点。すると直後の4回、今井投手は一死から安打を許し、続くバウアーズ選手に2ランを被弾した。
ただ、失投というよりも、打者を称えるべき一打だった。
追い込んでからファウルで粘られた末の7球目。
外角高めのスライダーは決して甘いコースではなかったが、巧みに逆方向へ運ばれた。内容を見れば、今井投手が打線に飲み込まれたわけではない。
5回も四球と盗塁、犠打で一死三塁のピンチを背負ったが、ここでもギアを上げた。
イエリチ選手を高めのフォーシームで空振り三振。続くミッチェル選手も打ち取り、追加点を許さない。苦しい場面ほど球威が増していくような迫力があった。
更に象徴的だったのは6回だ。
球数はすでに100球を超えていたが、今井投手のストレートは衰えるどころか、むしろ勢いを増していた。メジャー移籍後最多となる110球目まで投げ抜き、6回にはこの日最速となる97・6マイル(約157キロ)を計測。終盤でも球速が落ちない姿は、まさにエース級の資質を感じさせた。
この日はフォーシーム57球、スライダー47球というほぼ2球種のみで組み立てながら、ブルワーズ打線を翻弄。前回ツインズ戦の6回無安打無失点に続き、2試合連続でクオリティースタートを達成した。
防御率の数字だけでは測れない内容だった。敗戦投手にはなったものの、今井投手がメジャーの舞台に適応し始めていることは間違いない。むしろ、この日の110球には、今後への期待を抱かせるだけの説得力が詰まっていた。

