【熊本地震 被災者向け 】災害時の「善意の通信」を狙う犯罪に警戒 昔の“火事場泥棒”は現代ではサイバー犯罪へ進化
【熊本地震被災者の皆様へ】
大規模災害が発生した際、被災者の不安や混乱につけ込む犯罪は、
時代とともに形を変えながら続いている。
かつては、被災した住宅や避難所を狙う「火事場泥棒」が社会問題となった。
しかし現在では、インターネットやスマートフォンの普及により、被災者の財産や個人情報を狙う手口は、より巧妙なサイバー犯罪へと変化している。
7月28日に熊本県で最大震度7の地震が発生したことを受け、KDDI、Wi2、ソフトバンクなどが災害時無料Wi-Fiサービス「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」を開放した。
「00000JAPAN」は、被災地域で誰でも無料で利用できる通信手段として、家族の安否確認や避難情報の収集など、災害時の重要なライフラインとなる存在だ。
一方で、緊急時の利便性を優先した仕組みであるため、
利用者には通常の通信サービスとは異なる注意が求められる。
▪️災害時の混乱につけ込むサイバー犯罪
災害発生直後は、被災者が家族の安否確認や生活情報の確保に追われ、冷静な判断が難しくなる。その心理的な隙を狙うのが、現代の「火事場泥棒」ともいえるサイバー犯罪だ。
特に警戒が必要なのが、正規のサービスを装った偽Wi-Fiや偽サイトへの誘導である。
「00000JAPAN」と同じSSID(ネットワーク名)を表示する偽アクセスポイントを設置し、利用者を接続させた後、偽のログイン画面へ誘導する手口が想定される。
そこで入力したIDやパスワード、クレジットカード情報などが盗まれる可能性がある。
災害時は「無料で使える便利な通信サービス」と思って接続する人が増えるため、
犯罪者にとっては狙いやすい状況になる。
▪️無料Wi-Fi利用時に避けるべき行動
「00000JAPAN」は、避難情報の確認や家族への連絡などに活用できる一方、
利用時には注意が必要だ。
通常の公衆Wi-Fiと異なり、無線区間の通信は暗号化されていないため、
ネットバンキング、
証券取引、
クレジットカード決済、
重要なパスワード変更、
金融や個人情報に関わる操作
は避けることが望ましい。
また、本来「00000JAPAN」の利用にあたって、
メールアドレス登録やSNS認証、
クレジットカード情報の入力を求められることはない。
もし接続時に個人情報や決済情報の入力を求められた場合は、
偽サイトや偽アクセスポイントの可能性を疑い、
すぐに利用を中止することが被害の防止につながる。
▪️災害時こそ正しい情報リテラシーを
災害時の通信環境は、被災者にとって命を守るための重要な手段となる。しかし、その重要性を逆手に取り、財産や個人情報を狙う犯罪も存在する。
昔の「火事場泥棒」が現場の混乱に乗じて被災者の財産を狙ったように、現代ではインターネット上で被災者の不安や焦りを利用するサイバー犯罪が新たな脅威となっている。
災害時の通信サービスを正しく理解し、便利さだけではなく安全性にも意識を向けることが、自分自身の財産や個人情報を守る第一歩となる。
【テキスト:モッツ出版株式会社 高須基一朗】

