MLBロッキーズ 菅野智之選手が日米通算150勝達成 緊急登板でも見せたエースの矜持「言い訳はしない」
【©️Colorado Rockies 】
5月17日(日本時間)、ロッキーズの菅野智之選手が本拠地クアーズ・フィールドでのダイヤモンドバックス戦に先発登板。突如の体調不良に見舞われながらも5回2失点と粘投し、今季4勝目をマーク。これにより、日米通算150勝の節目に到達した。
試合後の表情には、歓喜というよりも安堵の色が濃かった。
「素直にうれしいです。でも、自分一人の力では絶対にここまで来られなかった」
そう静かに語った菅野選手。巨人時代から積み重ねてきた136勝、そしてメジャー挑戦後の14勝。その数字の裏には、14年間にわたる積み重ねと、エースとして背負い続けた責任があった。
この日の白星は、決して万全な状態でつかんだものではない。
試合開始約1時間前。クラブハウスで食事を終えた直後、突然の吐き気と腹痛に襲われたという。症状は深刻で、食あたりの可能性もあった。それでも、菅野選手はマウンドに立つ決断を下した。
首脳陣からは、回復時間を稼ぐため“オープナー起用”の案も提示された。しかし、本人は首を縦に振らなかった。
「マウンドに上がると決めた以上、自分のできる仕事をするだけ。言い訳はしたくなかった」
その言葉通りだった。
本調子とは程遠い中でも、巧みな配球と経験で試合を組み立てる。毎回のように走者を背負いながらも、要所では併殺打を奪うなど粘りの投球。5回まで10人の走者を許しながら、失点はわずか2に抑えた。
派手さはない。しかし、崩れない。
全盛期の剛球でねじ伏せる投球ではなく、打者のタイミングを外し、駆け引きで勝負する。メジャーでもなお進化を続ける36歳の技巧派右腕らしい内容だった。
東海大卒業後の“浪人生活”、巨人のエースとしての重圧、そして海を渡ってからの新たな挑戦――。順風満帆ではなかった野球人生の先に、150勝という数字がある。
それでも、本人に満足感はない。
「150勝は通過点。また次の151勝目を目指してやっていきたい」
試合後、クラブハウスではシェイファー監督をはじめ、チームメートから祝福を受けた。しかし、その中心にいた本人だけは、すでに次の登板を見据えていた。

