「やり切った」と胸張る決断 錦織圭選手が今季限りで現役引退を表明

2026.5.1

【©️UNIQLO WORLD】

男子テニス界を長年けん引してきた錦織圭瀬選手(36)が5月1日、自身のSNSを通じて今シーズン限りでの現役引退を発表した。アジア男子として歴代最高位となる世界ランキング4位、さらに2014年の全米オープンテニス準優勝など、日本テニス界に数々の歴史を刻んできたレジェンドが、大きな節目を迎えることになった。


 

投稿は日本語と英語で発信され、「今日は皆さまにご報告があります」と切り出し、長年のキャリアに終止符を打つ決断を明かした。幼少期から抱き続けてきた「世界で戦いたい」という思いを胸に走り続け、「トップ10に到達できたことは大きな誇り」とこれまでの歩みを振り返った。

 

その道のりは決して平坦ではなかった。

度重なる故障に苦しみ、思うようなプレーができない時期も経験。

それでも「テニスが好きだ」「もっと強くなれる」という強い思いが、自身を何度もコートへと引き戻したという。勝利の歓喜と敗北の悔しさ、満員のスタジアムで味わった特別な空気・・・そのすべてが、かけがえのない財産となった。

「正直に言えば、今でもコートに立ち続けたい気持ちはあります」と未練ものぞかせつつ、「それでも『やり切った』と胸を張って言える自分がいます」と言い切った言葉には、トップアスリートとして走り抜けた確かな手応えがにじむ。

 

最後の大会は現時点で未定だが、9月30日から東京・有明で開催される木下グループ・ジャパン・オープンが“ラストステージ”となる可能性もある。同大会は錦織にとって2012年、2014年と2度の優勝を誇る縁の地。日本テニスの象徴的存在が、国内ファンの前でラケットを置く瞬間が訪れるのか、大きな注目が集まる。

 

1989年、島根・松江に生まれた錦織選手は、13歳で米フロリダのIMGアカデミーに留学。2008年にツアー初優勝を果たすと、以降は世界のトップ戦線で活躍を続けた。リオデジャネイロ五輪では銅メダルを獲得し、日本男子テニスに96年ぶりのメダルをもたらすなど、その功績は計り知れない。