【ONE FF 114】吉成名高選手がムエタイ無敗の強豪を完封「嫌なスタイル」攻略で真の強さを証明

2025.6.28

【©️ONE Championship, 】

2025年6月27日(金)、タイ・ルンピニースタジアムで開催された『ONE Friday Fights 114』にて、ムエタイ世界トップクラスの舞台で日本が誇る至宝・吉成名高(エイワスポーツジム)が圧倒的な勝利を収めた。

 

第4試合・アトム級ムエタイ(3分3R)で名高と対戦したのは、ONE参戦3戦連続KO勝利を誇るタイ人ストライカー、バンルーロック・シットワチャラチャイ。本場タイのムエタイでも名のある危険なファイターを前に、名高は距離を取って下がりながらカウンターを狙うという「もっともやりにくいスタイル」を相手に、冷静かつ完璧な試合運びで判定勝利を手にした。

試合序盤から名高はスピードとテクニックで主導権を握り、バンルーロックの出入りのタイミングを封じ込める巧妙な距離管理と鋭い蹴り技を駆使。バンルーロックは前戦までのようにKOを狙えるポジションを作れず、名高の多彩なコンビネーションと前後左右への動きに対応しきれなかった。

▪️強豪相手でも冷静に対処 自らの課題も直視

試合後のインタビューで名高は、「本当はKOで魅せたかった」としながらも、「ああいった後退型の選手に対して自分はまだ倒し切る力が足りていない」と率直に自己分析。そのうえで、「今回は強敵を攻略できたことは大きな前進。どんなスタイルでも倒し切れるファイターになる」と、次なる高み=ONEタイトル獲得に向けて意気込みを語った。

 

▪️ルンピニーで無敗継続 名高のキャリアはすでに異次元

今回の勝利で名高はONE参戦後4連勝、いずれもルンピニースタジアムでの快挙。しかもそのうち3試合は強豪タイ人選手を相手にしたものであり、本場の地元ファイターに連勝を続けている日本人選手は、名高ただひとりといっても過言ではない。

さらに名高のキャリアは、ルンピニー現地王座やWBCムエタイ世界王座など、10代での複数戴冠という異次元の実績を持つ。タイメディアからも「外国人で最も完成されたムエタイ選手」と称されるほどの評価を得ており、今回のバンルーロック戦も、彼の“攻略力”が真価を発揮した一戦となった。

▪️チャンピオンロードへ着実に前進

名高はインタビューの最後に、「まだまだ未熟」と謙虚な姿勢を崩さなかったが、その内容とは裏腹に試合では終始リードを譲らず、被弾も最小限に抑える完封勝利。

判定に一切の疑義はなく、“圧倒的な強さの証明”となった。

【文:高須基一朗】