NBA=ナゲッツがメキシコでペイサーズに勝利!ヨキッチ19得点13リバウンド 熱狂の2万人超満員…メキシコ国内にNBAファン3000万人、急成長する巨大市場

2026.11.8
【©️Denver Nuggets 】

米プロバスケットボールNBAは11月7日(日本時間8日)、メキシコの首都メキシコシティで公式戦を開催し、デンバー・ナゲッツがインディアナ・ペイサーズを114-102で下した。

世界最高峰のバスケットボールリーグを代表するスター選手の一人、ニコラ・ヨキッチが19得点、13リバウンド、8アシストと攻守にわたって存在感を発揮。キャメロン・ジョンソンが18得点、ジャマール・マレーが16得点8アシストを記録し、ナゲッツの勝利に貢献した。

今回の試合で注目されたのは、コート上の攻防だけではない。2万人を超える観客で埋め尽くされた会場の熱気は、メキシコにおけるNBA人気の高さを改めて印象付けた。

実はメキシコは、NBAにとって北米以外の海外市場で最も重要な拠点の一つとなっている。リーグが推計する国内ファンは約3000万人。デジタル配信やSNSでの接点も拡大しており、NBAが同国での事業展開を強化する理由が数字にも表れている。

 


▪️ヨキッチが19得点13リバウンド ナゲッツがペイサーズを退ける


試合はナゲッツが序盤から主導権を握った。

ヨキッチを中心とした攻撃で得点を重ね、前半終了時点で64-41と23点のリードを確保。ペイサーズを大きく引き離した。

しかし、後半に入るとペイサーズも反撃。第3クオーターには37得点を挙げ、ナゲッツのリードを縮めた。第4クオーターにも粘りを見せたが、ナゲッツは落ち着いた試合運びで追い上げをかわし、114-102で勝利した。

ヨキッチは19得点、13リバウンド、8アシストをマーク。トリプルダブルにはあと2アシストと迫る数字で、チームの攻撃を組み立てた。

ジョンソンが18得点、マレーが16得点8アシストを記録。ナゲッツは出場した11選手全員が得点を挙げるなど、選手層の厚さも示した。

一方のペイサーズはパスカル・シアカムが23得点でチームをけん引したものの、序盤の大量失点を取り戻すことはできなかった。

 


▪️メキシコでNBA人気が急拡大 ファンは約3000万人に


今回の試合を語るうえで欠かせないのが、メキシコにおけるNBAの市場規模だ。

ロイター通信が11月7日に報じたNBA幹部への取材によると、NBAはメキシコ国内に約3000万人のファンがいると推計している。

この数字は12~14年前と比較して2倍以上に増加したという。

さらに、NBAの公表データでは、前シーズンにメキシコ国内でライブ配信を通じて試合を視聴したユニーク視聴者数は2160万人に達した。

メキシコ市場を対象としたNBAのSNSアカウントも合計800万人以上のフォロワーを抱え、デジタルコンテンツによる年間の反応数は約2億件に上る。

こうした数字からも、NBAがメキシコで単に試合を開催するだけでなく、日常的にファンと接点を持つスポーツコンテンツとして浸透していることがうかがえる。

特に注目されるのが若年層への広がりだ。SNSや動画配信サービスを通じて、試合のハイライトや選手のプレーに触れられる環境が整ったことで、従来のテレビ観戦に限らないファン層の拡大が進んでいる。

サッカーが圧倒的な存在感を持つメキシコにおいて、NBAはバスケットボールの魅力を発信しながら、新たなスポーツ市場を開拓している。

 


▪️メキシコで35回目のNBA開催 死者の日との融合も話題に


NBAがメキシコで試合を開催したのは、今回で通算35回目となった。

1992年から続く同国での開催実績は、プレシーズンゲーム19試合、レギュラーシーズン16試合。米国とカナダを除けば、NBAの試合が最も多く開催されてきた国がメキシコだ。

今回の開催は、メキシコの伝統行事「死者の日(Día de Muertos)」の時期に合わせたものとなった。

死者の日は、故人をしのび、家族や友人とともに祝うメキシコを代表する伝統行事。NBAは3年連続で、この時期に合わせてメキシコシティで試合を開催している。

会場では伝統行事をテーマにした演出や特別仕様のコートなども用意され、現地の文化とNBAのエンターテインメントを融合させたイベントとなった。

今回の試合会場となったアリーナCDMXには2万を超える観客が集結。チケット完売の盛況ぶりは、メキシコにおけるNBAへの関心の高さを象徴するものとなった。

 

▪️NBAがメキシコを重視する理由 試合開催から年間を通じた市場開拓へ

NBAがメキシコで進めているのは、年に一度の海外公式戦だけではない。

若年層を対象にしたバスケットボール教室、指導者の育成、現地向けコンテンツの制作、ファン参加型イベントなど、年間を通じた活動を拡大している。

その中心的な存在の一つが、NBAの下部リーグに当たるGリーグに所属するメキシコシティ・カピタネスだ。

同チームは米国とカナダ以外を本拠地とするGリーグのチームとして、メキシコにおけるNBAの継続的な活動を支えている。

また、NBAはメキシコでのファンイベント「NBA House」なども展開。ファイナル期間中のイベントを通じて、試合観戦以外にもNBAに触れる機会を設けている。

こうした取り組みは、競技人口の拡大だけでなく、配信サービスやスポンサーシップ、関連商品の販売など、幅広いビジネスにつながる可能性を持つ。

NBAのラウル・サラガ幹部は、メキシコにはファン層やインフラ、ビジネス面での成長余地があるとの認識を示している。

一方で、メキシコに新たなNBAチームを設立する計画が直ちに進んでいるわけではない。リーグが現在、具体的な拡張候補として検討しているのはラスベガスとシアトルであり、メキシコへのチーム設立は将来的な可能性として位置付けられている。

 


▪3000万人のファンが持つ可能性


今回のナゲッツ対ペイサーズ戦は、単なる海外開催の公式戦にとどまらない意味を持つ。

NBAが推計する約3000万人のファン、ライブ配信のユニーク視聴者2160万人、SNSの800万人超のフォロワーという数字は、メキシコがリーグにとって無視できない市場に成長していることを示している。

さらに、米国との地理的な近さや時差の少なさも、NBAにとって大きな利点だ。選手やチームが現地を訪れやすく、米国で開催される試合も比較的リアルタイムで楽しめる。

ヨキッチも試合後、現地の観客について「本当に素晴らしかった」と称賛。会場は終始エネルギーに満ちあふれていたと振り返り、チームとして世界各地を訪れる意義についても前向きな姿勢を示した。

世界的なスター選手のプレーを直接見られる機会は、現地のファンにとって特別な体験となる。NBAにとっても、こうした試合はブランドの認知度を高め、新たなファンを獲得する重要な機会だ。

メキシコでのNBA人気は、すでに一時的なイベントの盛り上がりだけでは説明できない規模に達している。今回の満員のアリーナは、世界市場への展開を進めるNBAにとって、同国が持つ大きな可能性を改めて示す舞台となった。