UFC = 中村京一郎選手 デビュー戦は無念の判定負け 最終3R 豪快ダウン奪取!左拳骨折を乗り越えた執念の反撃にラスベガス熱狂

2026.11.8

UFCの舞台に初めて立った中村京一郎選手が、最後まで勝利を諦めない姿勢を見せた。

11月7日(日本時間8日)、米ネバダ州ラスベガスのMETA APEXで開催された「UFC Fight Night: Cortes Acosta vs. Walker」。フェザー級5分3Rでオリー・シュミット(ニュージーランド)と対戦した中村選手は、序盤こそ相手の多彩な蹴り技に苦しんだものの、最終3Rに左のパンチでダウンを奪う猛反撃を披露した。

しかし、序盤2ラウンドを優勢に進めたシュミットのポイントを覆すには至らず、判定0-3(28-29×3)で敗戦。待望のUFCデビュー戦は黒星スタートとなった。

勝利こそ逃したが、最終ラウンドに見せた逆転を狙う攻撃と粘り強さは、会場の観客を沸かせるものだった。

 


▪️ROAD TO UFC 優勝でつかんだ夢の舞台 決勝では逆転TKO勝利


中村選手は、2025年に開催された「ROAD TO UFC」フェザー級トーナメントで優勝し、UFCとの契約を勝ち取ったファイターだ。

同年5月の1回戦では韓国のパク・オジンを左ヒザでKO。準決勝では中国のリー・カイウェンを相手に左ストレートを効かせ、判定勝利を収めた。

そして迎えた決勝。地元オーストラリアのセバスチャン・サレイとの一戦では、最終3Rに左ヒザでダウンを奪い、逆転のTKO勝利。日本人ファイターとしてトーナメントを制し、世界最高峰の舞台への切符を手にした。

ただし、UFCデビューまでの道のりは決して順風満帆ではなかった。

中村選手は事前のU-NEXTインタビューで、ROAD TO UFC決勝後と、その後の練習で左拳を2度骨折したことを明かしていた。

負傷を抱えながらも、茶道や滝行などを継続し、自身の意識をコントロールする力を高めてきたという。

大舞台を前にしても精神面の鍛錬を怠らなかった中村選手。今回のデビュー戦は、これまで積み重ねてきた努力を世界に示す機会でもあった。

 


▪️テコンドー仕込みの蹴りに苦戦 シュミットが序盤をリード


対戦相手のシュミットは、8歳からテコンドーを始めて黒帯を取得したストライカー。

15歳でMMAを始め、名門シティ・キックボクシングに所属するなど、

打撃を中心にキャリアを積んできた。

プロではKO・TKO勝利も記録しており、蹴り技を含めた多彩な攻撃が持ち味だ。

1R、中村選手はサウスポー、シュミットはオーソドックスの構えで試合開始。

シュミットは右ミドルや後ろ蹴り、スピンキックを繰り出し、距離を保ちながら攻撃を組み立てる。中村選手も左ミドルやインローで応戦し、前進してプレッシャーをかけた。

中盤にはシュミットのワンツーをかわし、左ストレートをヒット。相手を後退させる場面も作った。

しかし、シュミットも左右のパンチやアッパー、ミドルキックを織り交ぜて反撃。中村選手の前進に対してサークリングを使い、攻撃をかわしながら有効打を重ねた。

2Rもシュミットの蹴り技が目立つ展開となる。

右ハイキックや後ろ蹴り、スピンキックを繰り出すシュミットに対し、中村選手は右カーフや前蹴り、左ストレートで対抗。中央を取り返そうと前に出るが、シュミットは距離を巧みに使い、攻撃を組み立てさせない。

中村選手も決定的な場面を作ろうとしたものの、シュミットの打撃に対応する時間が続き、試合は最終3Rへ。勝利のためには、ここで大きな展開を作る必要があった。

 


▪️最終3Rにドラマ!左の一撃でシュミットからダウンを奪う


勝負の最終ラウンド。中村選手は開始から前に出て、積極的に攻撃を仕掛けた。

シュミットのシングルレッグによるテイクダウン狙いを切り、右を当てて前進。スタンドの打撃戦に持ち込む。

シュミットも右ハイやパンチ、ヒザ蹴りで応戦し、簡単には流れを渡さない。中村選手は左のパンチを伸ばしながら距離を詰め、相手の攻撃をかわして反撃の機会をうかがった。

そして試合終盤、ついに中村選手が勝負を動かす。

前に出てきたシュミットに左ミドルを2発。さらにスーパーマンパンチを繰り出すと、相手のバックフィストをかわし、左のパンチを打ち抜いた。

この一撃でシュミットがダウン!

中村選手は一気に追撃を仕掛け、さらに左を叩き込む。シュミットも必死にシングルレッグで組み付き、テイクダウンを奪ったが、中村選手は左腕を差し込んで立ち上がる。

最後まで攻撃を止めず、右を連続して当てながら相手を押し戻した。

試合終了のブザーが鳴ると、会場からはスタンディングオベーション。

最終ラウンドに見せた中村選手の猛攻が、ラスベガスの観客を沸かせた。

 


▪️判定はシュミットに軍配 試合後には中村選手を称賛


試合終了後の判定は、3人のジャッジ全員が29-28でシュミットを支持。判定3-0でシュミットが勝利した。

中村選手は最終3Rにダウンを奪い、最後まで逆転を狙ったものの、序盤2ラウンドのポイント差を埋めることができなかった。

一方、勝利したシュミットは試合後、中村選手について「中村、ありがとう。なんて選手だ」とコメント。激しい攻防を繰り広げた対戦相手への敬意を示した。

UFCデビュー戦は悔しい結果となった中村選手。しかし、左拳を2度骨折した過去を抱えながらも、最終ラウンドにダウンを奪うまで攻め続けた姿は強く印象に残った。

勝利には届かなかったが、UFCの観客に自らの存在を示した中村選手。

次戦でどのような修正と進化を見せるのか、巻き返しに期待したい。

 



■試合結果
UFC Fight Night: Cortes Acosta vs. Walker
2026年11月7日(日本時間8日)
会場:META APEX(米国ネバダ州ラスベガス)

フェザー級 5分3R

●中村京一郎(日本)
判定0-3(28-29×3)
○オリー・シュミット(ニュージーランド)