『ストリートファイターV』販売を一時停止 PHPのセキュリティー強化で臨時メンテナンス、カプコンでは個人情報漏えいも判明
【©️CAPCOM】
カプコンは、対戦格闘ゲーム『ストリートファイターV』について、PlayStation StoreおよびSteamでの販売を一時停止している。使用されているプログラム言語「PHP」に関するセキュリティー強化が目的で、修正のための臨時メンテナンスを実施中だ。オンライン機能を使用するコンテンツも利用できない状態となっている。
一方、購入済みのユーザーは、オフラインでの対戦など、インターネット接続を必要としない機能を引き続きプレイできる。今回の措置はゲームそのものの販売終了を意味するものではなく、セキュリティー上の対応に伴う一時的な販売停止となる。
▪️PHP セキュリティー対策でオンライン機能を停止
『ストリートファイターV』の販売停止は、PS4版とSteam版が対象。カプコンは修正作業を進めており、安全性の確保を優先するため、PlayStation StoreとSteamでの販売を一時的に停止している。
オンライン機能を利用するコンテンツはメンテナンス中に使用できないが、オフラインで楽しめる機能は引き続き利用可能だ。オンライン対戦などを楽しんでいたユーザーには影響が及ぶものの、購入済みのゲームが全面的に遊べなくなるわけではない。
また、カプコンの『バイオハザード』シリーズのポータルサイトでも、PHPのバージョンアップ対応に伴うメンテナンスが行われ、一部ページが閲覧できない状態となっている。
▪️カプコンでは「CAPCOM ID」の個人情報漏えいも公表
今回のセキュリティー対応を考えるうえで、見過ごせないのが、カプコンが10月22日に公表したオンライン会員サービス「CAPCOM ID」への不正アクセスだ。
同社の発表によると、第三者による不正アクセスによって、メールアドレスやシステム固有の識別情報など、全世界で計1177万4247件の情報が漏えいした。対象情報には、アカウントの作成日時、最終ログイン日時、ログイン回数、最終ログイン時のクライアントIPアドレスなどが含まれる。
このうち43件では、生年月日、性別、国・地域、ニックネームの漏えいも確認された。また、196件のアカウントでログインパスワードが不正に変更されていたという。
一方、利用者自身が設定したパスワードの漏えいは確認されておらず、クレジットカード情報も今回の漏えい対象には含まれていない。カプコンは緊急対策を実施し、影響範囲の調査と再発防止に向けた対応を進めている。
同社は、漏えいした情報を悪用して、カプコンや関係先を装った不審なメールが送られる可能性があるとして注意を呼びかけている。
▪️月額課金やオンラインサービスの拡大で重要性が増す情報管理
ゲーム業界では、ゲームソフトの販売に加え、オンライン対戦、追加コンテンツ、ゲーム内アイテム、定額制サービスなど、インターネットを介した継続的な収益モデルが広がっている。サービスの利便性が高まる一方、会員情報や利用履歴を管理するシステムの安全性も、事業運営に欠かせない要素となっている。
ただし、今回の『ストリートファイターV』の販売停止と、「CAPCOM ID」で公表された情報漏えいについて、両者の直接的な因果関係が確認されたわけではない。PHPに関するセキュリティー対応と、会員サービスへの不正アクセスは、事実関係を分けて捉える必要がある。
また、情報漏えいが発生したからといって、月額課金サービスそのものが危険だと一律に判断することも適切ではない。重要なのは、継続的に利用者の情報を預かる企業が、システムの更新や脆弱性への対応、アクセス管理、異常の監視などを適切に行い、問題が起きた際には影響範囲を調査して説明することだ。
▪️ゲームを安心して楽しめる環境づくりが課題に
ゲームのオンライン化は、世界中のプレイヤーが対戦や交流を楽しめる環境を広げてきた。その一方で、サービスを支えるシステムの安全性が、利用者の利便性や信頼を左右する時代になっている。
カプコンは『ストリートファイターV』の修正作業を進めるとともに、「CAPCOM ID」の不正アクセスについても、影響範囲の調査と再発防止策に取り組んでいる。
利用者側も、不審なメールに記載されたURLを安易に開かないことや、他のサービスと同じパスワードを使い回さないことなど、自衛策を意識したい。企業によるセキュリティー対策と利用者の慎重な行動の双方が、安心してゲームを楽しめる環境を支えることになる。

