菊地亜美さんのマレーシア 2拠点生活で注目 海外拠点化による「芸能活動と税務」の関係とは

2026.8.5

【菊地亜美さん公式YouTubeサムネ画像より】

タレントの菊地亜美さん(35)が、マレーシアとの2拠点生活を開始することを発表した。子どもたちの教育環境や家族の将来を考えた上での新たな挑戦として打ち出しているかが・・・さまざまな点で多くの注目を集めている。


 

近年、芸能界では海外を生活拠点の一つに取り入れる動きが広がっている。

海外教育環境へのアクセス、新たな市場への挑戦、

家族との時間の確保など、その目的はさまざまだ。

一方で、芸能人やインフルエンサーが海外で生活しながら活動を続ける場合、

生活面だけではなく、税務上の取り扱いも重要なポイントになる。

「海外に住めば日本の税金がなくなる」と考えられるケースもあるが、

実際の判断は単純な住所変更では決まらない。

日本の所得税法では、税務上の「居住者」か「非居住者」かについて、住民票の有無だけではなく、「生活の本拠」がどこにあるのかを客観的な事実に基づいて判断する。

居住期間、仕事の拠点、家族の生活状況、日本国内での活動実態、資産の所在地などを総合的に確認した上で判断されることになる。

 

▪️芸能活動の収入と海外拠点化による税務上のポイント

芸能人の場合、日本国内でのテレビ出演、イベント出演、広告契約などによる収入と、海外で発生する活動収入では、課税関係が異なる可能性がある。

仮に海外生活が中心となり、日本の税務上「非居住者」と判断された場合、日本国内で発生した所得については日本で課税対象となる一方、国外で得た所得については、その内容や発生場所、契約形態などによって取り扱いが変わる可能性がある。

ただし、海外に住居を構えたという事実だけで自動的に非居住者になるわけではなく、日本での芸能活動の割合や生活実態などを含めて総合的に判断される。

 

▪️YouTubeやSNS収益も重要な税務ポイントに

近年、芸能人の収益構造は大きく変化しており、テレビ出演料だけではなく、

YouTube広告収入、企業案件、SNSを活用したプロモーション収入なども重要な収益源となっている。

海外拠点で活動する場合、こうしたデジタル収益についても税務上の判断が必要になる。

YouTube収益は「どこで動画を撮影したか」だけで決まるものではない。

判断のポイントとなるのは、本人の税務上の居住地、

動画制作や運営の実態、企業案件の契約先 収益管理の方法などだ。

例えば、海外で撮影した動画であっても、日本の芸能活動の一環として運営され、

日本国内の事務所が管理している場合には、

日本との税務上の関係が残る可能性がある。

一方で、海外で生活しながら現地で制作したコンテンツや海外企業との契約による収益などは、状況によって滞在国側での課税関係が発生する場合もある。

ただし、YouTubeの広告収益は海外企業から支払われるケースも多く、

「海外企業から報酬を受け取っているから日本の税金がかからない」という単純な仕組みではない。

重要なのは、報酬の振込先ではなく、

本人の居住地や活動実態によって判断される点だ。

 

▪️租税条約による二重課税の調整

日本とマレーシアの間には、二重課税を避けるための租税条約が存在する。

海外で活動する個人や企業は、日本と滞在国の双方で課税対象となる可能性があるため、租税条約によって課税関係を調整する仕組みが設けられている。

ただし、租税条約があるからといって、海外へ生活拠点を移した全ての人が税負担を大きく軽減できるわけではない。

実際の課税関係は、居住地の判定、収入の発生場所、契約内容、活動実態などによって決まる。

 

▪️海外拠点化の価値は税務だけではない

海外との2拠点生活は、税務面だけで語られるものではない。

家族の生活環境、子どもの教育、新たな市場への挑戦、人生の選択肢を広げる働き方など、多くの可能性を持っている。

菊地さんは今回の決断について、子どもたちの成長環境や「今しかできない挑戦」を理由として挙げており、税務面を目的とした移住については説明していない。

芸能活動の形が多様化する現在、海外拠点化は新しいライフスタイルの一つとして広がっている。

一方で、テレビ出演、広告契約、YouTube、SNSなど複数の収益源を持つ芸能人にとっては、生活実態と収益構造に合わせた正確な税務管理が不可欠になる。

菊地さんが今後、日本での芸能活動とマレーシアでの生活をどのように両立していくのか。その新しい働き方にも注目なポイントとなる。