287戦203勝ムエタイの鉄人セクサン選手が現役引退を表明 最後の相手には宿敵ムアンタイ選手を指名

2026.7.10

【©️ONE Championship 】

ムエタイの鉄人として数々の激闘を繰り広げ、タイ国内だけでなく世界中の格闘技ファンから敬愛されてきたセクサン・オー・クワンムアン選手(タイ)が、自身のInstagramを通じて現役引退を表明した。


 

「長く厳しいキャリアを経て、私の身体はムエタイから引退すべき段階に至りました。次はムエタイの引退試合に臨みます。皆さん、リングでお会いしましょう!」

7月8日に投稿されたこのメッセージは第一線を走り続けたレジェンドの決断として、

大きな反響を呼んでいる。

37歳のセクサン選手は、前へ出続ける攻撃的なスタイルで知られる「ムエブー」を代表するファイターの一人。元ラジャダムナンスタジアム認定ライト級王者として活躍し、2015年には梅野源治選手を下して日本人挑戦者の快進撃を阻止。同年にはラジャダムナンスタジアム年間MVPにも輝いた。

さらに、2019年に行われたロッタン・ジットムアンノン選手との一戦は年間最優秀試合に選出されるなど、その激しいファイトスタイルで数々の名勝負を生み出してきた。

日本でも2度リングに上がり、2019年3月のRISEでは大雅選手に判定勝ち。同年7月には白鳥大珠選手に判定で敗れたものの、その果敢な戦いぶりは日本のファンにも強い印象を残している。

2023年からは『ONE Friday Fights』に参戦。怒涛の8連勝を飾ってONE Championshipとの本契約を勝ち取ると、その後もリアム・ハリソン選手やソー・リン・ウー選手ら実力者を撃破し、世界最高峰の舞台でも存在感を示した。

一方で、2024年以降は麻火佑太郎選手、エイサー・テン・パウ選手、宿敵ムアンタイ選手、スーブラック選手、そして長年のライバルであるパコーン選手に敗れ、近年は苦しい戦いが続いた。2026年3月にはパコーン選手に1ラウンド59秒でTKO負けを喫し、4連敗という結果でキャリア終盤を迎えていた。

それでも通算戦績は287戦203勝78敗6分。ONE Championshipでは年間最多となる8勝を記録したほか、8連勝、4度のパフォーマンスボーナス獲得など数々の記録を残し、「何者にも屈しない男」の異名にふさわしい戦いを見せ続けた。

その勇敢なファイトスタイルはタイ国内のみならず世界中のファンを魅了し、ムエタイ界を代表するレジェンドとして高い評価を受けている。

なお、セクサン選手は引退試合の相手として、これまで5度拳を交え4勝1敗としている宿敵ムアンタイ選手との再戦を希望しているという。2025年6月の5度目の対戦ではムアンタイ選手が初勝利を挙げており、両者による”最後の決着戦”が実現するのだろうか。


【文:高須基一朗】