UFC 堀口恭司選手が8年8カ月ぶり因縁の再戦へ―立ちはだかる最強のマネル・ケイプ 復帰戦がフライ級戦線の分水嶺に
日本総合格闘技界を代表するファイターの1人である
堀口恭司選手が再び世界最高峰の舞台へ帰ってくる。
6月21日に開催される『UFC Fight Night: Kape vs. Horiguchi 2』。
この一戦は単なるUFCにおける2人の再戦ではない。
2017年のRIZINで勝利したマネル・ケイプとの8年8カ月ぶりの再戦であり、
世界の頂点を目指す堀口選手にとって避けては通れない試練でもある。
対するケイプ選手は現在UFCフライ級2位まで上り詰めており、絶対落とせない試合でもある。
ここ数年は練習環境を大きく変化させて、ペイプは打撃、レスリング、防御技術のすべてを進化させ、タイトル挑戦目前まで駆け上がった。
試合前にはMLBのホームゲームで始球式を務めるなど、
ラスベガスでも積極的なプロモーション活動を展開。
メディア取材では「私はA+のレベルにいる」「パワーが試合を左右する」と語り、復帰してきた堀口選手を返り討ちにする強気な姿勢を鮮明に打ち出している。
しかし、日本の格闘技ファンにとっては、むしろ堀口選手が再び世界の頂点へ挑戦する物語だろう。
■RIZIN王者から再びUFCへ 日本格闘技界の象徴が挑む最後の世界戦線
堀口選手は長年にわたり日本MMA界を牽引してきた。
UFC時代には王者デメトリアス・ジョンソン選手とのタイトル戦を経験し、その後RIZINへ活躍の場を移すと、日本人離れしたスピードと総合力で長く軽量級の頂点に君臨した。
近年のMMA界ではUFCへの人材集中が進み、世界最高峰との差は拡大しているともいわれる。そうした状況のなかで35歳となった堀口選手が再びUFCへ戻り、世界ランキング上位選手と戦うこと自体が大きな挑戦といえる。
今回の相手がケイプ選手であることも象徴的だ。
8年前、まだ粗削りだったケイプを肩固めで一本勝ちした堀口選手だったが、その後のケイプの成長曲線は凄まじい。現在のケイプ選手は当時とはまったく別人と言っていいレベルに到達している。
だからこそ、この試合は堀口選手の現在地を測るうえで極めて重要な意味を持つ。
■問われるのは“世界基準”への適応力
ケイプはラスベガスの名門ジム、エクストリーム・クートゥアーを拠点に、UFCパフォーマンス・インスティテュートのサポートも受けながら世界最先端のトレーニング環境で競技力を磨いてきた。
「何より重要なのはホームで戦うこと」と語り、自身にとって理想的な条件が揃っていることを強調している。
一方の堀口選手はアメリカントップチームを拠点に長年世界トップレベルの選手たちとしのぎを削ってきた。UFC復帰戦とはいえ、世界基準の環境を知らない挑戦者ではない。35歳となった現在も世界最高峰のスピードと反応を維持できているかという点だろう。
ケイプが主張する「パワー」の差を、堀口選手が持ち前のフットワークと総合力でどう埋めるのか。そこに勝敗を左右する最大のポイントがありそうだ。
■勝てばタイトル戦線、負ければ世代交代の現実
この試合の勝者はフライ級タイトル戦線へ確実に前進する。
一方で敗れれば、再び王座戦線へ戻るまで長い時間を要することになる。
特に堀口選手にとっては、キャリア終盤に差し掛かるなかで迎える重要な世界挑戦だ。日本格闘技界の象徴として歩んできた道の先に、再びUFC王座への可能性をつなげるのか。それとも新世代のトップコンテンダーであるケイプ選手が完全な世代交代を印象付けるのか。
日本MMA史においても大きな意味を持つ一戦が、
いよいよ金鷲末のラスベガスで幕を開ける。


