武尊選手 引退会見で舞台裏明かす ロッタン戦消滅の可能性にも「日程変更は選択肢になかった」

2026.5.1

2026年5月1日に都内で引退記者会見を行った武尊選手(team VASILEUS)が、

現役最終戦の舞台裏を明かした。対戦相手の変更も想定しながらも、あくまで「同日に戦う」方針を貫いていたという。


 

武尊選手は4月29日、東京・有明アリーナで開催された『ONE SAMURAI 1』のメインイベントで、ロッタン・ジットムアンノン選手と対戦。ONEフライ級キックボクシング暫定世界王座決定戦(3分5R)に臨み、5ラウンド2分22秒TKO勝ちを収め、現役最後の試合を白星で飾った。

試合について武尊選手は「1ラウンドから必死だった」と振り返り、

前回対戦で受けたダメージによる恐怖心が大きかったと明かした。「失神する夢や大怪我をする夢を見るほどだったが、その分、集中力が高まった」と語り、結果的に高いパフォーマンスにつながったとした。

 

決着の瞬間については

「倒した直後も実感がなく、 “勝ったのか・・・” “チャンピオンなのか・・・” と頭が追いつかなかった」

と述べ、極限状態での戦いだったことを強調。

試合後も「1日1~2時間しか眠れていない。夢の中で試合前に戻った感覚になり、起きて確認して安心することを繰り返している」と語り、余韻が続いている現状を明かした。

また、試合前にはロッタン・ジットムアンノン選手の契約問題が浮上し、試合自体が消滅する可能性もあったという。武尊選手は

「関係者から話は聞いていた。不安もあった」としつつも、

「4月29日に引退すると決めて体を作っていたので、日程変更は自分の中で選択肢になかった」と強調した。

仮にロッタン選手との対戦が実現しなかった場合については、「別の選手でも同日に試合を行う方針だった」と説明。

その候補として、ONEのトップファイターであるスーパーレック・キアトモー9選手の名前も挙がっていたことを明かし、

「体重が合わなくても対戦する案があった」と語った。

結果的にロッタン選手との一戦は予定通り実施され、武尊選手は勝利で現役生活に幕を下ろした。引退試合の裏側では、不測の事態も想定した準備と覚悟があったことが浮き彫りとなった。


【文:高須基一朗】