『サザエさん』生誕80年で初の電子書籍化 原点の魅力を現代へ『いじわるばあさん』も同時配信

2026.4.22

漫画家の長谷川町子さんによる国民的作品『サザエさん』と『いじわるばあさん』が、初めて電子書籍化され、4月22日より配信がスタートした。『サザエさん』の連載開始からちょうど80年という節目に合わせた企画で、全68巻および全6巻が国内主要電子書店にて順次公開される。


 

『サザエさん』は1946年4月22日、夕刊フクニチで連載を開始。戦後日本の家庭像を温かく、時に鋭いユーモアで描き続け、多くの読者に親しまれてきた。一方、『いじわるばあさん』もまた、風刺の効いた作風で人気を博し、後に青島幸男さん主演でドラマ化されるなど、時代を象徴する作品として知られる。

今回電子化されたのは、長谷川町子さんが姉・毬子さんと設立した出版社「姉妹社」から刊行されたオリジナル版をもとに復刊された内容。『サザエさん』には新たに新聞掲載日や用語解説も収録されており、単なる娯楽作品にとどまらず、当時の社会や生活文化を知る資料としての価値も高められている。

テレビアニメ版で広く知られる『サザエさん』だが、原作ではより繊細に日常の機微や人間関係が描かれており、その味わいはまた異なる魅力を持つ。戦後の暮らしや家族の在り方、地域社会の息づかいをリアルに切り取った作品群は、現代においても共感を呼び続けている。

出版元は今回の取り組みについて、「長谷川町子さんは昭和期に活躍した女性漫画家の先駆けであり、ユーモアと品格を兼ね備えた作風は今なお色褪せない」と説明。その上で「電子書籍化により、作品の面白さを再発見するとともに、その創作精神と功績に改めて光を当てたい」としている。

今回の配信により、長年のファンはもちろん、これまで原作に触れる機会のなかった若い世代も、スマートフォンやタブレットを通じて“原点のサザエさん”を手軽に楽しめる環境が整った。80年の時を超えて読み継がれる国民的作品が、新たなかたちで再び広がりを見せている。