「格闘家の情熱を“通貨”に変える」 Fighters Guildが仕掛けるWeb3格闘技革命の全貌
技術は思想の器であり、思想は経営者の覚悟によって社会に実装される。
東京・赤坂に本社を構えるabc株式会社。その代表取締役・松田元氏が、いま「格闘技の未来」を再定義しようとしている。舞台はWeb3。
プロジェクトの中核を成すのが「FIGHTERS DAO」と「FIGHTERS GUILD」だ。
一見すると似た名称だが、両者は明確に役割が分かれている。
▪️FIGHTERS DAOとは何か?“経済圏”の設計図
FIGHTERS DAOは、格闘家とファンをブロックチェーン上でつなぐ「分散型経済圏」そのものを指す。
・選手トークンの発行
・基軸トークン(WWB)による価値循環
・スマートコントラクトによる自動実行
・ガバナンス(意思決定)機能
つまり、資金の流れと価値の循環を設計する“経済インフラ”を担うのがDAOである。
ファンはトークンを保有し、応援し、エコシステムに参加する。そこではスポンサー中心だった従来の構造から、ファン参加型のモデルへと軸足が移る。
DAOは“ルールと通貨”を司る存在、と言い換えてもいい。
▪️FIGHTERS GUILDは“育成と実装”のリアル拠点
一方のFIGHTERS GUILDは、よりリアルサイドに近い概念だ。
・若手選手の発掘
・トレーニング環境の整備
・マネジメント支援
・ブランド構築
・海外展開サポート
いわば、格闘家を育て、磨き、社会に送り出す“実働組織”である。
DAOが経済圏の設計図なら、GUILDはその設計図を現場で実装するプレイヤー集団だ。
Web3だけでは選手は育たない。リングで戦い、物語を生み出す存在がいて初めて、トークンは意味を持つ。GUILDはその“物語の源泉”をつくる役割を担う。
▪️両者を支えるabcの技術基盤
この二層構造を支えているのが、abcのブロックチェーン技術である。
abcは、一般社団法人Fighters Guildおよびオフショアの分散型プロジェクト「Fighters DAO」に対し、ブロックチェーン技術を用いたシステム基盤を提供している。
つまり、GUILDというリアル組織と、DAOという分散型経済圏の双方に対し、共通のテクノロジー基盤を実装しているのがabcの立ち位置だ。
経済設計だけを描くのでもなく、育成理念だけを掲げるのでもない。技術によって両者を接続する“黒子”としての役割を担うことで、プロジェクト全体の持続性を高める狙いがある。
▪️DAOとGUILDの関係性─車の両輪
両者の関係は明確だ。
FIGHTERS DAO=経済システム
FIGHTERS GUILD=人材育成・競技実装組織
DAOが価値を流通させ、GUILDが価値を生み出す。
経済だけが先行すれば投機に傾きかねない。育成だけでは資金循環が持続しない。そのバランスを取るための二層構造こそが、このプロジェクトの本質である。
▪️なぜ“格闘技”なのか
Web3関連プロジェクトは数多い。しかし、格闘技という極めてリアルで感情的な領域に踏み込む事例はまだ少数だ。
理由は明快だ。格闘技は「物語資産」の宝庫だからである。
敗北、怪我、再起、栄光—そのすべてがストーリーとなり、ファンとの関係性を築く。
松田氏はそこに、単なる金融とは異なる“情熱経済圏”の可能性を見出したという。
Web3は投機の道具ではなく、「参加型エコノミー」を構築するためのインフラであるべきだ。その思想が、FIGHTERS DAOの設計思想と重なる。
▪️投機か、社会インフラか
もっとも、本プロジェクトは金融商品ではない。
・価格保証はない
・配当の約束もない
・投資勧誘を目的とするものではない
あくまでスマートコントラクトによる自動実行型エコシステムの構築を目指すものだ。トークンは法定通貨ではなく、価格変動リスクを伴う。
それでもなお、ブロックチェーンが持つ透明性と自動化の特性は、従来型金融とは異なる可能性を秘める。
松田元氏の挑戦は、「Web3をギャンブル的存在から社会インフラへと昇華できるか」という問いそのものでもある。
スポンサーに対して格闘家が頭を下げる時代から、世界中のファンとスマートコントラクトでつながる時代へ。
リングの上で生まれる挑戦と物語を、選手と同じ目線に立って
DAOが支え、GUILDが育てる。
“情熱”が“資産”へと転換される新たな土俵。
その実装が動き出している。
【文:高須基一朗】

