朝倉海選手が110秒TKOでUFC初白星 会心の復活劇にマカオ熱狂「自分の強さを証明したかった」
総合格闘家の朝倉海選手が5月30日、中国・マカオで開催された「UFCファイトナイト・マカオ」のバンタム級マッチに出場し、キャメロン・スモザーマン選手(米国)を1ラウンド1分50秒TKOで撃破。UFC参戦3戦目にして待望の初勝利を挙げた。
約2年半ぶりとなる白星をつかんだ朝倉海選手は、試合後のインタビューで感情を抑えきれず涙。「この試合で、自分がどれだけ強いかを証明したかった。それを見せることができて本当に良かった」と英語で語り、会場からは大歓声が巻き起こった。
試合は開始直後から朝倉海選手が主導権を握った。得意のカーフキックで距離感を支配すると、鋭いパンチを次々とヒット。最後は左フックを軸にしたコンビネーションでダウンを奪い、そのままパウンドを連打。レフェリーが試合を止め、わずか110秒で決着がついた。
これまでUFCでは苦しい戦いが続いていた。
2024年12月のデビュー戦では、前フライ級王者アレッシャンドリ・パントージャ選手とのタイトル戦に抜てきされるも一本負け。続くティム・エリオット選手戦でもギロチンチョークに屈し、2連敗を喫していた。
再起をかけた今回、朝倉海選手は本来の適正階級とされるバンタム級へ戻し、チーム体制も刷新。竹浦正起コーチ、小倉將裕コーチに加え、元UFCファイターの金原正徳氏をヘッドコーチとして迎え入れるなど、万全の準備を整えていた。
その成果は、試合内容にも色濃く表れた。
鋭さを増した打撃、迷いのない踏み込み、
そしてフィニッシュまで一気に仕留め切る爆発力。
敗戦続きで背負っていた重圧を吹き飛ばすような圧巻のパフォーマンスだった。
試合後、オクタゴンを後にした朝倉海選手のもとには、客席で観戦していた兄・朝倉未来選手が駆け寄り、笑顔でグータッチとハグ。
苦しい時期を支えてきた兄弟の絆に、会場からは再び大きな拍手が送られた。
朝倉海選手はインタビューの最後に「自分の打撃は世界一だと思っている」と力強く宣言。悲願のUFC初勝利を手にした“路上の伝説”が、
ここから再び世界の頂点へ歩み始める。
【文:高須基一朗】



